4と19で「良いきゅうり」と読む語呂合わせから、今日はJAあいち経済連が制定した「良いきゅうりの日」です。一年中スーパーから消えることのない、私たちの食卓に馴染み深いきゅうりは、果たして“良い存在”なのか。記念日に調べてみました。
軽食と紅茶を楽しむ、イギリスの食スタイルとして有名な『アフタヌーンティー』。食べたことのある人もいると思いますが、『アフタヌーンティー』の優雅さの象徴ともいえるのが、銀製のティースタンドに行儀よく並んで出てくる「サンドイッチ・スコーン・ケーキ」ですよね。
いまではそのメニューの味わいはお店ごとに様々ですが、『アフタヌーンティー』が英国貴族の間で流行り出した19世紀ごろ、サンドイッチの具材は断然「きゅうり」でした。なぜかというと、新鮮なきゅうりを手に入れられる人=農園を持ち、農夫を雇える財力のある人だったから。いわば、きゅうりは貴族のステイタスのように扱われていたわけで、お金持ちにとってまさに“良い存在”だったのでしょう。
きゅうりがリッチの象徴だった時代がいつまで続いたのか定かではありませんが、「汚名」を着せられたのは1980年代のこと。きゅうりは「最も栄養価の低い果実」としてギネス認定を受けたのです!当時の栄養価の基準は「カロリー」のことだったようで、きゅうりの最低評価に対して最高評価を得た果実は、アボカドでした。
きゅうりにはビタミンCやカリウムが含まれているものの、実の90%は水分。たしかに栄養が豊富とは言い難い。。。でもそこで終わらないのが、我らがきゅうり!地球温暖化でエコの意識が高まる中、その“ほぼ水分”の魅力を生かし、暑い夏にこそきゅうりを食べて、効率よく身体を冷やして水分補給しようという「キュウリビズ」なる取り組みが、昨年の夏に行われました。
栄養ばかりが食材の“良さ”じゃないという、逆転の発想!悲しいかな地球温暖化はストップしていないので、「良いきゅうり」の時代はまだまだ続きそうです。
(TEXT:大河原裕美)