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通勤電車と、爽やかな朝のスタート

2009年10月16日 (金)
 
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 私が毎朝利用する通勤電車は、都内でも有数のメチャ混み電車である。その混み方たるや、高校時代にこの路線を利用して通学していた友人の、弁当箱や電子辞書の液晶画面が割れたいうほどの破壊力である。通勤にこの路線を利用し始めて三年目、幸いにして今のところ私の弁当箱は無事だが、体のあちこちにはしょっちゅう青いアザができている。

 この通勤電車の混み具合は、毎朝必ず途中のターミナル駅で最高潮に達する。降りる人の何倍もの人が一気に乗り込み、あちこちで「うっ……」「いたたたたたっ……」といううめき声が聞こえる。私も、駅員さんの「もう一歩中ほどまでお進み下さい」と言うアナウンスに脳内で「もうお進みする余裕はこれっぽっちもございません……ぐえぇ~」と反論しつつ、見知らぬ汗だくオヤジの胸や背中に顔を埋めながら、これだけの圧力で押されても肋骨や腕を骨折しない人間って結構良い出来してるのかも、などと人体の不思議について思いをめぐらせていたりする。

 こんなに車内が混むと、隣の駅では電車のドアを開けないで欲しいと思う時がある。隣駅は小さな駅なので乗り降りする乗客も滅多にいない上に、ドアを開けると電車内から乗客が外に転がり出てしまう恐れがあるからだ(そして私は、転がり出る危険性の高い場所にいることが多い)。

 ところが今朝、電車が隣駅に着く少し前に、車内の奥のほうから「次の駅で降ります!」という男性の声がした。正直「ゲーーー!!」である。彼が降りると言うことは、当然ドア付近にいる乗客が一旦降りて彼に道を譲るということ。しかし例のターミナル駅からその隣駅までの間に、私達は電車の揺れに身を任せつつも少しずつ体の角度を調整したりして、苦心して自分の安定的な居場所を確保している。彼を降ろすためにこの安定感が崩れるのは嫌だ。でも彼を降ろさないわけにはいかない。

 電車は隣駅に到着し、私達は一旦ホームに出て彼に道を譲った。その彼は制服を着た高校生であった。またまた混雑する電車に自らを詰め込む仏頂面の私達。と、その時、彼はくるりと振り向いて、私達全員に「ありがとうございました!!」と言ってペコリと頭を下げた。

 何と爽やかな! たかが電車から一度降りて道を譲るだけなのに、「ゲー」とか思って申し訳なかった。キミのお陰で、通勤ラッシュでの疲れも、昨夜の夫婦喧嘩のモヤモヤも、きれいサッパリ吹き飛んだよ。

 ところで、青年の礼儀正しい行いに感心しちゃうって、心が歳を取ってきた証拠?!