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 窓

2010年11月5日 (金)
 
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 初雪が降る少し前、美唄へ初めてドライブした。たくさんの木に囲まれた廃校となった小学校。ひっそりとした美術館になっていた。
 校舎の中に入ってみると古い木独特のにおいがし、床はミシミシ音がする。窓辺に立って外を見ると、深まる秋が木の窓枠に区切られて、いくつもの四角い絵になり並んでいる。
 きつねの窓、最後の一葉、マッチ売りの少女。昔読んだ本のなかには窓が大きな意味を持つ話がたくさんあったように思う。お話のなかの窓はみな、きっとこんな風だった。窓から眺める外の世界、外からのぞく窓の中。ドキドキさせる不思議な世界が広がっていた。
 今はもう木の窓枠のある家など、見かけることはなくなった。ガタピシの音も隙間風もなくなってすーっと即座に開け閉めでき、いつからか窓は異空間を隔てたものではなくなった。便利な暮らしに迎合してしまっているのだから、味気ないなんて言うのは勝手なことだと分かっているけど、こんな窓を目にすると、忘れてしまった大事な物に出会ったような何だか懐かしい思いになる。