足元を見る

2004年11月5日 (金)
 
本日は再診の日。

朝からお天気が良くて

シーツとお布団を

干してから病院へ。

緑に囲まれた病院なので患者さんが

日光浴に外に出てきている姿を多く見かけます。

どうか、お日さまのエネルギーが

病んだ体と心に栄養を与えてくれますように。

まだ紅葉の始まっていない木々の元に

ベンチが置いてあります。

退院が決まった日に母と二人で並んでそこに座り

退院祝いに売店で買った「ピノ」を食べて

母にネイルを塗ってもらったあの日が

よみがえってくるのです。

うれしかったなぁ。とっても甘かったなぁ。

診察が終わり今なお入院中の友人2人と

院内のレストランで落ち合う。

彼女達は一目でどういう類の病気かわかってしまう

女性にとっては一番つらい状態にもかかわらず

レストランのような人目につく場所にわざわざ

出向いてくれました。

ワタクシはむやみに励ますことはしません。

が、彼女達から意見を求められたときに

冷静に答えるように心掛けているつもりです。

病気になってから彼女達の元には友人やら親族から

「効く」と言われる食べ物、飲み物、信仰、治療法が

寄せられるらしく、時に不安になると自分の判断に

ブレーキがかけられなくなると。

実は今日もある代替医療の会のことを調べて欲しいと言われ

ワタクシなりに職場の先生、友人、ゆきぼん、ネットを頼りに

その会がマルチビジネスに近いことを証明し

そして化学的根拠に欠けていることを説明していたのでした。

ワタクシは安易に、検証もしないで彼女達に

そういうゴミ情報を投げつける彼女達の周りの人間に

虚しさと憤りを感じ、ため息をついて隣のテーブルに座る男性の

足元を見遣ったのです。

「あぁ、いい靴履いてはるなぁ。」

と顔を上げてその男性を見たのです。

近頃プロ野球に新規参入を果たした

若き球団オーナーでした。

いつものネクタイ姿ではなく

仕立ての良い白いシャツにノーネクタイで

お年を召された男性とお食事中でした。

彼も体調を崩していたのか

何種類ものくすりの入った袋からくすりを取り出し

飲んでいました。

あれだけのビジネスをまとめあげた裏には

相当の疲労、心労があったことでしょう。

しばらくして彼に気づいた一人のおじさまが

「応援してますよ」と声を掛けると

笑顔で「ありがとうございます」と答えていたのが

高飛車でも無くとても真っ当な感じがしたのです。

相手側の社長がTシャツ、ジーンズという姿で

公の場に出てこられたのに対して

隣のテーブルに座る彼は常にスーツ姿で

面白おかしく対比されていました。

でも今日ワタクシがわずか50センチほどの距離で感じたのは

とても「真っ当」だということです。

足元を見る。本来の慣用の意味とは違うけれど

あの足元だから選ばれたのかも。

と妙に納得してしまったのです。




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