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流れる水と時

2005年6月3日 (金)
 
 窮屈なゴム製の水泳キャップをプールサイドに放り投げ、ぐぅんとプールの底すれすれに
泳ぐのが好きだった。

 開放された髪はゆらゆらと海藻のように
揺れ、頭皮がさーっと冷たくて何とも言えない
爽快感。

 流れるプールも好きだった。
もともと泳ぎは得意だったけど、流れに乗れば
どんな記録でも出せちゃうような。
うれしくて、楽しくて、水の中でにんまりしながらぐんぐん泳いだ。
 
 そんな流れのなか立ち止まると、押し流されそう。ぎゅっと足をふんばってもかなり辛い。
ましてや逆らって、向かっていても
いくら力いっぱい水を掻き、足でキックしても
全く進まない。じたばたじたばたと見苦しく
もがいている私。

 ”あのね、力いっぱいがいつもいいというわけじゃないのよ” ”もう少し肩の力を抜きなさい”
 母はときどきそんなやさしい事を言ってくれたが
 ”ふん!怠け者の戯言じゃない”と心の中で
反発していた。

 でもそれは一理あるのだ、流れるプールの中では歯が立たなかった。
全ては自分の計画どうり、思うままにはいかない。
 手帳のスケジュールだって余白は必要。

 流されてしまうのではなく、流れとともに生きていけばいい時もときにはあるのね。