オーブンの温度調節で失敗しないために
設定温度の調理効果とオーブンの特徴やクセを知り、適切な温度調節ができるようになることで、オーブン料理の失敗を避けることができます。
料理に適した温度を知る
オーブンの温度範囲は、低温・中温・高温と大きく3つに分けることができます。
オーブンの温度 | 料理例 | 調理の特徴 |
---|---|---|
低温(140〜160℃) | プリン、マカロン | 焼き目をつけない、「す」を立たせない |
中温(170〜190℃) | ケーキ、クッキー、魚・肉料理 | 一番よく使われる温度帯 |
高温(200〜250℃) | パイ、シュークリーム(シュー生地)、グラタン、ピザ | 一気に生地を膨らませる、焼き目をつける |
オーブンの特徴やクセに対応する
オーブンには様々な機種があり、同じ温度設定をしていても仕上がりが大きく異なることがあります。取扱説明書を参照した上で実際に使用してクセを把握し、それぞれに合わせた火加減に調整します。
電気オーブン(オーブンレンジ)とガスオーブンの違いに対応する
オーブンには大きく分けて、電気で加熱するオーブンとガス(火)で加熱するオーブンがあります。クックパッドの料理レシピにおいては電気オーブンを想定されているものが多いため、ガスオーブンを使用する際には特に火力の強さを考慮する必要があります。
項目 | 電気オーブン | ガスオーブン |
---|---|---|
熱源 | 電気 | ガス(火) |
火力 | 弱め | 強め |
予熱時間 | 長め | 短め |
焼きムラ | 各オーブンで調節が必要なことが多い | 少なめ |
仕上がりの特徴 | 焼き色がつきにくい、乾燥しやすい | 外はカリッと中はジューシーに焼き上がる、熱風の対流によって繊細な生地は形がくずれることも |
焼きムラが多いオーブンの場合
奥が十分に焼き目がついているのに手前には全くついてないなど、焼きムラがある場合には、加熱中に一度取り出して天板ごと回転させます。
火力が弱いオーブンの場合
設定温度をレシピよりも高めに設定する、予熱時間を多めにとるなどして調整します。
温度調節ができないオーブンの場合
温度を設定する機能がない、または海外製品などで温度調節が難しい場合は、温度計で庫内温度を確認する方法もあります。ただし、途中で扉を開けてはいけない繊細な料理やお菓子づくりには不向きです。
調理中の温度調節の仕方
予熱温度を高めに設定する
特に火力が弱めの電気オーブンは、料理をオーブンに入れる際のドアの開閉で庫内温度が下がってしまうことを考慮し、調理温度より高めに予熱温度を設定しておくとよい場合があります。室温が低い冬などは特に気をつけます。もともと火力の強いオーブンで予熱温度を高めに設定すると焼きすぎや焦げの原因になるため、オーブンの特徴を知っておく必要があります。
調理中に温度を下げるには
基本的には扉を閉めた状態のまま、設定温度を低めに設定しなおします。ただし、扉を閉めたままで温度設定が変更できない場合には、扉を速やかに開閉してから温度を設定します。
温度を急激に下げる必要がある場合(焼き目をつけたくないなど)は、扉を一定時間開けて庫内温度を下げる方法もありますが、そのときの室温やオーブンの大きさ・種類によって温度の下がり方が異なるため、正確な温度調節が必要な場合には温度計で確認します。
下火と上火の調節
下火が強い場合は天板を2重にし、火のあたりを緩和させます。
上火が強い場合は調理途中にアルミホイルをかぶせ、焦げを防止します。
上火も下火も弱いと感じる場合には設定温度を上げ、強く出てしまう方を上記の方法で緩和します。
監修:関岡弘美(料理研究家)