魚介類の自然毒に注意
自然毒は主な例としてフグや二枚貝、その他魚類などにも含まれています。
食べてから食中毒の症状が出るまでの期間やその症状、予防方法も異なります。
摂取すると重篤な症状に至る場合もあるので、専門機関の情報をよく確認し、注意点や対応に関する指示に従ってください。
特に釣りや潮干狩りなどで採った魚介類を調理する際は、可食部位や必要な下処理について確認し、見慣れない魚介類には十分に注意してください。
シガテラ
シガテラ毒が引き起こす中毒とは?
シガテラ毒は、食物連鎖(海藻に付着した渦鞭毛藻→藻食動物→肉食魚)によって魚類に蓄積され、これらの魚類を食べた後、下記のような中毒症状を起こすことがあります。
- 2~30時間で、下痢・吐き気・嘔吐・腹痛などの消化器系の症状
- 血圧低下などの循環器系の症状
- 関節痛・筋肉痛・かゆみ・しびれ、温度感覚異常などの神経系の症状
シガテラ中毒を引き起こす魚の例
シガテラの主要な原因魚は、オニカマス、アカマダラハタ、バラハタ、オオアオノメアラ、バラフエダイ、イッテンフエダイなどの、主に熱帯及び亜熱帯海域に生息する魚です。 日本におけるシガテラの原因魚は、バラハタ、イッテンフエダイ、バラフエ ダイ、イシガキダイなどが報告されています。
※1. オニカマスは厚生労働省で販売を禁止しています。また、シガテラの原因となっている可能性が高いと指定した魚類については、輸入されないようにしています。
※2. 一部の自治体では、対象魚を決めて販売自粛などの指導を行っています。
魚がシガテラ毒化しているかどうかは、見た目や味などで判断することができません。 また、シガテラ毒は非常に熱に強く、高温で調理しても無毒化することはできません。 そのため調理する際は、各自治体の発信情報を十分に確認してください。
もっと知りたいときは?
食品安全委員会:シガテラ(ファクトシート)
厚生労働省:自然毒のリスクプロファイル(魚類:シガテラ毒)
TOPに戻る
フグ毒
毎年発生するフグの食中毒
フグの体内にはテトロドトキシン(TTX)と呼ばれるフグ中毒の原因物質が含まれていてます。
フグ毒による症状は、口唇部や指先に痺れが起こったり、言語障害や呼吸困難が生じたり、さらに重い症状になると呼吸が停止し、死に至ることがあります。
また、素人調理による死亡例も日本では毎年報告されています。
フグを自分で調理するのはやめよう
フグの種類や部位、漁獲海域などによってフグ毒が含まれている部位が異なるので、厚生労働省では、食べることができる種類や部位、漁獲海域を定めています。
また、国内では都道府県知事等が認めた専門のフグ処理者により調理されたフグが消費者に提供されています。
フグの判別は素人では難しいので、自分で釣ったフグや、釣った人から譲り受けたフグを自分で調理することは絶対にやめましょう。
また、フグを使った料理を作る際は、安全に食べられる状態で提供されているものを入手しましょう。
参考
厚生労働省:自然毒のリスクプロファイル
厚生労働省:安全なフグを提供しましょう
TOPに戻る
巻き貝のフグ毒
フグ毒はフグ以外にも含まれています
フグ中毒の原因物質であるテトロドトキシンは、フグ以外の生物にも含まれています。
例えば、巻き貝であるフジツガイ科のボウシュウボラの中腸線にはフグ毒が含まれており、フグほど件数は多くありませんが、過去に中毒事故が発生しています。
ボウシュウボラによるフグ中毒を防ぐためには、食べる前に中腸腺を含む内臓を除去することが必要です。
自分で取り除くことが心配な方は、有毒部位が除去済みの市販品を購入すれば安心です。
参考
厚生労働省:自然毒のリスクプロファイル:巻貝:フグ毒
東京都福祉保健局:東京都通知により措置が定められた魚介類
TOPに戻る