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子どもの約4割がやせ傾向親の“料理力”が子どもの体形に影響!?「葉物・レンチン・切るだけ」のトリプル野菜+お肉の食事を
2018.08.24

「市販」も「自家製」も!冷凍野菜を活用してスマート調理

猛暑などによる極端な天気の増加による生鮮野菜の価格高騰を受け、「冷凍野菜」に注目が高まっています。そのトレンドを解説するとともに、生鮮野菜の価格高騰を賢く乗り切るための、野菜の上手な冷凍保存方法や冷凍野菜の便利な使い方をご紹介します。また、最近増えている「秋バテ」を解消するための、お肉と野菜、両方のビタミン(=Wビタミン)についてご案内します。

冷凍野菜の輸入量が初の100万トンを突破

冷凍野菜の輸入量は年々増加しており、2017年に初めて100万トンを突破しました。品目別にみると、ばれいしょやほうれん草、スイートコーン、ブロッコリーが前年を大きく上回りました。また、国内の冷凍野菜生産量も、コーン(56.3%増)やかぼちゃ(18.1%増)が大きく伸長しているのがわかります。生鮮野菜の価格高騰を受け、流通業界において価格変動の少ない冷凍野菜の販売を強化する動きが増えていること、カット野菜と同じように手軽に調理できる食材として定着しつつあることがうかがえます。

  • 冷凍野菜の輸入量推移
    冷凍野菜の輸入量推移
  • 冷凍野菜の品目別輸入量
    (2016年と2017年の数量比較)
    冷凍野菜の品目別輸入量(2016年と2017年の数量比較)
  • 冷凍野菜の品目別国内生産量
    (2016年と2017年の数量比較)
    冷凍野菜の品目別国内生産量(2016年と2017年の数量比較)

使用するシーンに合わせた冷凍野菜ミックスも続々登場

最近では数種類の野菜をミックスした冷凍野菜をよく見かけます。数種類の野菜をグリルしたものや、洋食の付け合わせに便利な洋風野菜をミックスしたもの、和風の煮物に使いやすい根菜をミックスしたものなど、食シーンに合わせた冷凍野菜ミックスが発売されています。高齢化や世帯人数の減少、共働き世帯の増加を背景に、食べたい分だけサッと使うことができ、下ごしらえも不要な冷凍野菜の需要が高まり、ニーズの多様化が進んでいるようです。惣菜とは異なり、自分好みに味付けができる点も利点の一つ。手軽に複数の野菜をとることができるので、賢く使いたいですね。

使用するシーンに合わせた冷凍野菜ミックスも続々登場

「冷凍」しても遜色ない栄養価

医学博士で管理栄養士の本多京子先生は「野菜を冷凍する前の加熱処理によって失われるビタミンやミネラルは多少ありますが、食物繊維や脂溶性のビタミンなどは影響がありません。また、市販されている冷凍野菜は、野菜の栄養価が高い旬の時期に収穫され、速やかに加熱処理、冷凍加工されるので、実は生鮮野菜と比べても栄養価は遜色ありません。さらに、冷凍前に加熱処理をすることで、酵素の働きが止まり、鮮やかな色合いを長く保つことができるというメリットもあるのです」とコメントしています。

冷凍しても損なわれない栄養価

鮮度が落ちる前に!使い切れない野菜は下ごしらえをしてから冷凍保存

ニーズの高まっている冷凍野菜ですが、実は家庭でも簡単に作ることができます。これからの時期に多く出回るごぼうやきのこ、かぼちゃなどの野菜も、一度に使い切れない場合や、安い時期にまとめ買いをした食材などは冷凍しておきましょう。単身世帯や夫婦2人世帯など「野菜を丸ごと買っても使いきれない」とお悩みの方にもおすすめです!
本多先生によると「簡単な下ごしらえをしてから冷凍すれば、毎日の調理の手間も省けます。野菜の種類、栄養素の性質、料理方法などに合わせて、『カット』『加熱』『アク抜き』いずれかの簡単な下ごしらえをしてから冷凍しましょう。特に、カットするだけのきのこ類は、数種類をまとめて冷凍しておけば、炊き込みごはんや炒め物など、さまざまな料理に幅広く活用できますよ。家庭で作った冷凍野菜は、種類を問わず2週間を目安に食べきるようにしましょう」とコメントしています。

鮮度が落ちる前に!一度で使い切れない野菜はおいしく冷凍保存

カットタイプ 加熱タイプ アク抜きタイプ
きのこ類、キャベツ、にんにくなど かぼちゃ、ブロッコリー、絹さやなど ごぼう、レンコン、さつまいもなど
カットタイプ きのこ類、キャベツ、にんにくなど
加熱タイプ かぼちゃ、ブロッコリー、絹さやなど
アク抜きタイプ ごぼう、レンコン、さつまいもなど

家庭でおいしく冷凍するための3か条

  • 第1条 うすく平らにならす!
    効率よく食材を冷やせるので省エネに。解凍も短時間でできます。
  • 第2条 空気を抜いて保存!
    風味が損なわれないように、ジッパー付きの袋に入れてしっかりと空気を抜きましょう。袋の上からアルミホイルで包めば、さらに空気を遮断できるうえ、冷凍効率もぐんと高まります。
  • 第3条 1食分ごとに小分けに!
    必要な分だけサッと使えるので便利。
  • ① 袋の中で薄く平らにならす。
    • 袋の中でうすく平らにならす。
  • ② ジッパーつきの袋で保存。ストローで中の空気を吸い出すとしっかりと空気が抜ける!
    • ジッパー付きの袋で保存。ストローで中の空気を吸い出すとしっかりと空気が抜ける!
  • ③ 1回分の量を小分けに。潰したかぼちゃなどは菜ばしで溝をつけておくと、パキッと折って必要な分だけ使える!
    • 1回分の量を小分けに。
      潰したかぼちゃなどは菜ばしで溝をつけておくと、パキッと折って必要な分だけ使える!

お肉と野菜のWビタミンで「秋バテ」をおいしく解消!

お肉と野菜のWビタミンで「秋バテ」をおいしく解消!

まだまだ厳しい暑さが続いていますが、9月に入ると暑さに加えて、昼夜の気温差が激しくなります。長引く暑さに疲れがたまり、さらに追い打ちをかけるように激しい気温差によって免疫力が低下しやすく、「秋バテ」になる人が増える時期です。
本多先生は「野菜にビタミン類や食物繊維などが多く含まれていることはご存じだと思いますが、お肉にもビタミン類が含まれています。例えば、豚肉に多く入っているビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるときに必要不可欠な栄養素。不足すると代謝がスムーズに行われずに、疲れがたまりやすくなってしまいます。また、鶏肉にはビタミンAが含まれています。皮膚や粘膜を正常に保つ働きのあるビタミンAは、免疫力を高め、細菌などから体を守ってくれる強い味方です。お肉と野菜のWビタミンを意識的にとって、早めに疲労を回復しましょう」とコメントしています。

お肉と野菜のWビタミンで「秋バテ」をおいしく解消!

【「秋バテ」に効果的な栄養素】

たんぱく質:免疫力アップ! ビタミンB1:糖質をエネルギーに変える。 ビタミンA/C/E:免疫力アップや抗酸化作用
本多京子(ほんだ きょうこ)先生

本多京子(ほんだ きょうこ)先生

医学博士
管理栄養士
NPO 日本食育協会理事

スポーツ選手の栄養指導や食育に長年携わる。テレビや雑誌では、健康と栄養に関するアドバイスやレシピを多数提供。
主な出演番組 NHK『ごごナマ』、『きょうの料理』、『趣味どきっ』他
雑誌、新聞の出演多数。著書は 60 冊を超える。

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