【ぼくの自由研究】小学5年生のときの「アリジゴク」研究

分子調理など食を科学的に分析・研究しているクックパッド食みらい研究所 特任研究員・石川伸一先生に、子ども時代の自由研究のエピソードや、先生が現在行っている研究内容について、子ども向けにわかりやすく教えていただきました。

小学生のみなさんへ

「研究」とはどんなことをするのかについてと、子ども時代の自由研究に何をしたかを石川先生に教えてもらいました。この夏の自由研究のテーマを決める参考にしてみてくださいね。

食べ物の「おいしさのヒミツ」について研究しています

みなさんが好きな食べ物は何かな?ケーキやオムレツはおいしいけれど、緑色の野菜はあまり好きじゃないという人は多いよね。実は、みなさんがおいしいと感じる食べ物には「ヒミツ」があるんだ。

僕はそのヒミツを、顕微鏡を使ったミクロの世界で調べたりしているよ。今まで誰も食べたことのない新しくておいしい料理を作るためには、このおいしさのヒミツを研究して、それが何か突きとめる必要があるんだ。

「研究」ってどんなことをすればいい?

小学生のみなさんが、いきなり実験や研究をしようと言われても難しいかもしれないね。そこでまずは、身の回りにあるものを“観察”するところから始めてみよう。花、生きもの、電車の形などをじっくり見ると、いろいろなところがちがっていることがわかるよ。次に「じゃあ、どうしてちがうのかな」と考えてみてね。こんなふうに「ちがい」を調べていくと、いろいろおもしろいことがわかってくるんだ。

先生が子ども時代にやった自由研究

小学5年生のころ「アリジゴクはアリにとってほんとうに地獄なのか?」という研究をしたよ。ウスバカゲロウというトンボに似た昆虫の幼虫は「アリジゴク」といって、家の下に砂の穴のトラップを作る。そこにアリを落とすと何匹生き残れるのかアリ以外の昆虫を落とすとアリジゴクはどうなるのかなどを研究したんだ。研究結果は大きな模造紙にまとめて発表して、学校で表彰もされたんだよ。

今から子ども時代に戻れるとしたら、巨大パン、巨大マシュマロのような巨大な食べ物を作ったり、食べられる時計、食べられるメガネなど「食べられる〇〇」を作って自由研究にしたい。あと「ヘンゼルとグレーテル」に出てくるお菓子の家は、子どもの頃から憧れているので、今でもすきあらば作ってみたいな。


石川 伸一(いしかわ しんいち)
1973年福島県生まれ、農学博士。宮城大学食産業学部フードビジネス学科准教授、クックパッド食みらい研究所 特任研究員。専門は分子食品学、分子調理学、分子栄養学。主な研究テーマは鶏卵の機能性に関する研究。『料理と科学のおいしい出会い〜分子調理が食の常識を変える〜』(化学同人)、『必ず来る! 大震災を生き抜くための食事学』(主婦の友社)ほか著書多数。

クックパッド編集部