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鶏むね肉の香草焼き

むね肉はパサつく?そんなことはありません。柔らかくてしっとりした本来の身質のまま焼き上げます。
鶏むね肉の香草焼き
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コツ・ポイント

【違う身質が同居しているから、分けて焼く】
鶏肉でもう1つ、皆さんがよく使うのが鶏むね肉でしょう。ももと比べてあまり動かさない部位なので、肉質が柔らかくてしっとり。筋がほとんどなくて、同じ鶏肉ですが“まるで違う肉”。ちょっと思い出してみてください。むね肉といっても、1枚の中で、右と左のどちらかが盛り上がっていませんか?左右で身質が違うんです。鶏もも肉のソテーでも言いましたが、違う身質のものを一緒に焼いて、どちらもおいしく焼き上げるのはムリ!それならどうすればいいか。もも肉のときと同様、別々に焼けばいい。単純です。でもとても大切なことです。

【きちんと焼くと肉が膨らんで大きくなる!?】
繊維の入り方が違います。大きいほうは繊維が細くて同じ方向に整然と入っているから、食感がとてもデリケート。小さいほう(抱き身といいます)は繊維の入る方向がバラバラだから、食感がザクザクして粗い。そこで、むね肉は大きい身と小さい身を時間差でフライパンに入れて焼いていきます。焼き方そのものは難しくありません。原則通りに焼けば、肉の細胞膜が壊れずに水分を内にとどめます。その水分が膨張して、次第にコロンと丸みを帯びて、焼く前よりも大きくなるんです。その変化も、ぜひ楽しんでください。理想の焼き上がりは、焼く前の素材の質をそのまま生かした、柔らかくてジューシーな状態。ナイフで切ると、鶏がもともと持っていた水分が断面から透明な滴となってポタポタと落ちるのが見えます。これがフレンチでいう、本来のジュ。絶品ですから、ソースのようにしてつけて、余すところなく食べてください。

【Chef's voice】
時間のあるときにまとめて焼いて、薄く切り分けて冷蔵庫や冷凍庫で保存すると便利です。ヴィネグレット(にんじんのラペ手順1〜4参照)をからませたら鶏のサラダになるし、フレンチではないけど練りごまをかけたっていい。また、焼きたてをひと口大に切ってにんにくのポタージュ(にんにくのポタージュ)に入れたら、立派な1皿に。

※にんにく
にんにくの味や香りを直接出したくないときは皮付きで使って、ゆっくりと油に移していきます。この皮付きにんにくを、フランス語では“シャツを着たにんにく”の意味で、アイユ・アン・シュミーズといいます。

掲載情報
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「ル・マンジュ・トゥー」谷 昇のおいしい理由。フレンチのきほん、完全レシピ
フレンチ界の実力派、「ル・マンジュ・トゥー」の谷昇シェフが教える、ご家庭で絶対においしく作れる フレンチの技術書です。フレンチといっても、ソースも付け合せもほぼゼロ。使う道具も、ご家庭と同じフライパンや鍋だけ。鶏肉のソテーやローストビーフをフライパンでとびきりおいしく焼く方法や、絶品ポタージュの作り方、サラダの基本などご家庭で作りたい料理だけ約40品ご紹介。作り方はフルプロセス。写真付きだから、動画みたいで分かりやすい!シェフの言葉で大切なことを語るので、まるで料理教室で習ったみたい。自然と身につきますよ。
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