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ポトフ

ポトフの野菜って、本当においしいですか?僕は「?」を感じるから、肉だけを煮込みます
ポトフ
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コツ・ポイント

【煮込んでおいしいのはすね肉】
ポトフPot-au-feuを直訳すると「火にかかった鍋」。牛のかたまり肉と玉ねぎ、にんじん、セロリなどの野菜をことこと煮込んで作るのが定番ですね。ここで僕が使う牛肉は、僕が煮込んで一番おいしいと思うすね肉。よく動かす部位なので筋が多く、堅いので焼くのには向きません。ところが煮込むとゼラチン質や旨みが引き出され、水だけで煮出しているのにとてもおいしい煮汁になり、肉も柔らかくおいしくなります。シンプルながら旨みたっぷりの豊かな味わいは、動かす部位の底力、とでも言いましょうか。

【ポトフで大切なのは煮汁が澄んでいること】
ポトフは、牛肉の旨みが移ったおいしい煮汁も大切。ですから僕の煮上がりの目安は、肉が柔らかくなっていること、そして煮汁がおいしいこと。たっぷりの煮汁に肉が浮いているイメージで煮込み、その煮汁はピュアで澄んでなくてはならない。これがポテとの最大の違いです。
冒頭に“ポトフは牛肉と野菜を煮込むのが定番”と言ったものの、おいしい煮汁(ブイヨン)にするために、僕は野菜を入れません。厳密にいうと、日本では入れません。フランスと日本ではまず土壌が違う。フランスの野菜はミネラル豊かでおいしいから、肉の旨みとの相乗効果でとてもおいしいブイヨンになる。火を入れてなお力強い味を持っているから、野菜だけを食べてもとてもおいしい。でも日本の野菜は甘ったるいから煮汁にキレがなくなるし、味が弱くておいしくないんです。それをムリに使うことはないですよね。料理に“絶対”なんてことはありませんから。

【Chef's voice】
おいしい煮汁は煮汁で、煮込んだ肉はマスタードや塩をお好みでかけて、別々にいただくこともあります。肉はもちろん、サラダに入れたりしてもおいしいので、少し多めに仕込んで保存しておくのもおすすめです。

※牛すね肉
牛肉は筋が多く入った、煮込んで旨み豊かになるすね肉を使うのが好きです。ここでは肉の重量の3%量の塩を使いますが、使う部位によって、塩の感じ方が変わるので量を加減してください。たとえばもも肉を使うときは、煮るとパサパサになって塩を感じやすいので塩の量を減らし、脂の強い部位は塩を感じにくいので塩の量を増やします。

掲載情報
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