鶏もも肉のコンフィ

油が肉の繊維1本1本にしみ込んで、しっとりと煮上がるフランスの保存食
鶏もも肉のコンフィ
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コツ・ポイント

【煮るときも、身質の違う肉は分ける】 
油の中でじっくりと煮込むコンフィは、フランスでは保存食として作られてきました。煮込んで肉の繊維の間に油をしみ込ませて余分な肉汁を出す、さらに油の中で保存して空気にも水にも触れないようにする——つまり、腐る要素をギリギリまで少なくするのが目的なので、正直なところフランスでは“ベストな煮加減”はそれほど気にしていません。実際ナイフを入れると、肉がワシャッと崩れたり繊維がほぐれたり、いろいろですよね。でも僕は、きちんとおいしく作りたい。ですから焼くときと同じ、身質の違う素材をまったく同じようには火入れしない。鶏もも肉のもも側とすね側を分けて、煮る時間を変えています。もちろんお好みもあるでしょう。身のおいしさを優先するなら早めに取り出し、繊維がポロッとするのを優先するなら長めに加熱します。煮込むときにホールスパイスやハーブ、皮付きにんにくを入れて香りづけしてもいいですよ。ハーブやにんにくはコンフィを焼いて食べるときに一緒に焼いて、盛るといいでしょう。

【コンフィは火加減が命!】
コンフィには、がちょうの脂やラードなど、動物性の脂を使います。脂の味と香りをつけるためで、本来は煮る素材の脂を使います。しかし冷蔵庫で保存するとしっかり固まって肉を取り出しにくくなるので、固まらないサラダ油をブレンドします。煮込むときは、くれぐれも火加減に注意して90°Cをキープしましょう。火加減が強すぎてぼこぼこ沸くとアクが全体に真っ白く広がって、焼いたときにそのアクが焦げてしまいます。上にアクが出てくると、温度が高すぎ。煮終わりには鶏肉が3分の2ぐらいのサイズに縮みますよ。

【Chef's voice】
コンフィに使った油は、2〜3回ほど使えます。ただし上澄みの油だけ。鍋底に沈んだ鶏肉の旨みやゼラチンを含んだ茶色い水分は、とてもおいしい貴重なエッセンスです。冷蔵庫で固めてみてください。溶かすだけでソースになるし、料理の旨みづけにもなります。

掲載情報
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