ラタトゥイユ

ひとつひとつの素材感を残した、フランスの野菜の煮込み
ラタトゥイユ
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コツ・ポイント

【野菜の水分だけで煮た“ジャム”】
僕はラタトゥイユを野菜のコンフィテュール(ジャム)、と呼んでいます。使う野菜は、まず味のベースになる玉ねぎ。コク出しの素材はこれだけですから、甘みがしっかりと出るまで炒め煮にして、味に奥行きを出す、これ大事です。そして煮汁のほとんどの水分を出してくれるトマト。煮汁を吸い込んでおいしくなるなす、ズッキーニ、パプリカ。ピーマンとにんにくは香りづけ、とくにピーマンは仕上がり間際に入れて、青い香りをプラスします。

【煮汁を乳化させて濃厚でなめらかに】
ここでは野菜を煮すぎず、ひとつひとつの素材感を適度に残したラタトゥイユをご紹介します。日本で思われがちな、トマト味が前面に出たタイプではありません。ある程度煮たら、煮汁と野菜を分けて、煮汁を煮詰めてから野菜をからませて仕上げます。この煮汁、ぐつぐつ煮詰めることで味が濃厚になるだけでなく、水分と油が乳化して野菜とからみやすくなり、口当たりもなめらかになります。粗熱がとれたら、一晩おくとよりおいしくなります。野菜からしっかりとペクチンが出て、ひとつに固まっているはずですよ。ちなみにお皿の周りに油が浮いたラタトゥイユ、見ることがありますね。これ、なすを炒めるときの油が多すぎるのが原因です。なすは炒めると油を吸いますが、煮終わりになると一気に出てきます。なくなったからといって、油を足すのはやめましょう。フランスパンにのせてタルティーヌ(オープンサンド風のパン)にしたり、グラタンやパスタ、パエリアにも使えます。たくさん作って、冷凍しておくと便利ですよ。

【Chef's voice】
14でミキサーに移した後の鍋底を見てみてください。うっすら皮膜ができていたらOK。よく炒められている証拠です。鍋底がつるんときれいだと、炒め方がまだ足りなかったということ。にんじんの甘みが充分に引き出されていません。

※にんにく
にんにくがお好きなかたは、10かけまで入れてもいいでしょう。

掲載情報
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