だしをとったあとの大豆は、煮物などに再利用していただく。
【些細なことでも、一生懸命にやれば自信につながる。まずは、大豆だけでだしをとってみましょう】
料理僧を名乗るわたしですが、まだまだ自分の料理に自信をもてません。むしろ、勉強を重ねるほど、自分の無知や未熟さに恥じ入るばかりです。そうはいっても、わたしの料理を楽しみに来てくださる方に、「自信がないから今日は何も出せません」などというわけにはいきません。わたしが自分の心をときに落ち着かせ、ときに奮い立たせるものとして大切にしている料理の一つが、大豆だしのみそ汁です。大豆のだしをとるための、単純にして奥深い工程。絶えず手を動かして鍋をふりつつ、心は静かにそこに向かい合う時間を経て、「やるだけのことはやった」と、清々しい達成感を得られます。大豆からこんなに深いだしが出せたと、胸を張れるのです。
大豆だしのみそ汁
大豆からこんなにも芳醇なだしがとれる驚きと、素朴でも手間ひまかけた甲斐のある逸品


コツ・ポイント
- 料理
- : 青江覚峰
- 撮影
- : 長尾明子(minokamo)