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BONIQで低温調理する時、塩を入れるタイミングで牛もものローストビーフの仕上がりに違いが出るのか?
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「鶏むね肉の低温調理 塩のタイミング比較実験(ID:5128850)」では
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「BONIQ調理後、フリーザーバッグに塩を入れて味を含ませる」方法が
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「BONIQ前に塩」「ブライニング」「BONIQ後、食べる直前に塩」よりも柔らかくジューシーに仕上がるという結果が出た。
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上記の鶏むね肉の実験は「蒸し鶏」のスタイルであったので、塩が均一に入っていて“最も柔らいもの”をより美味しいと感じたが、
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例えば「鶏もものステーキ」の場合は柔らかすぎると“ぐにゃっとした食感”になり、実際には火は通っているが
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「生なんじゃないか?」と不安になる。
柔らかければ良いというわけではなく、素材によっては“脱水”した方が
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旨みが凝縮して美味しさを引き出せるものもある。
鶏ももについては現在研究中であるが、
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「牛もも」を使ったローストビーフの場合、果たしてどのような結果が出るのか?
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それぞれ以下のように塩を入れるタイミング別に、全てBONIQ設定58℃ 3時間40分で牛もも肉の調理を行った。
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(1枚約250g、厚さ4cm。タスマニアビーフのももを使用。321円/100g)
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牛ももを・・・
① 塩をふり、1日冷蔵庫で寝かせてからBONIQ
② 塩で下味し、すぐBONIQ
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③ BONIQ後、そのフリーザーバッグに塩を入れて味を1時間含ませる
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その後少量の油をひいたフライパンで表面を焼き、香ばしさをプラスする。(※1)
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肉汁の流出を防ぐため10分寝かせる。(※2)
スライスしてそれぞれの違いを比較。
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上記の鶏むねの実験で、ブライニングの有効性があまり感じられなかったため今回はブライニング(※3)の方法は省く。
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(※1)薄い肉の場合はBONIQ後に表面を焼くと中まで火が入ってしまうことがあるため先に焼いておくと良いが、
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このように厚みのある肉の場合は、後から焼いた方がよりフレッシュな香ばしさを加えることができる。
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(※2)オーブンでローストする従来の方法では、焼き時間と同じだけ肉を休ませるというのが定説である。
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BONIQの場合、肉汁が流出するほど高温が続くわけではないので休ませるのは短時間で良い。
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(※3)ブライニング:肉をジューシーに仕上げるために、5%程度の塩と砂糖を混ぜた溶液に漬ける技法。
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<検証①塩をふり、1日冷蔵庫で寝かせてからBONIQ>
牛もも肉に塩(2.5g)をふり、フリーザーバッグに入れて
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1日冷蔵庫で寝かせる。その後、フリーザーバッグの空気を抜いて密封しBONIQ(58℃ 3時間40分)で低温調理する。
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終了タイマーが鳴ったらフリーザーバッグを取り出し、肉の表面の水分を軽くペーパーで拭いて、
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油を熱したフライパン(強火)で表面に焼き色をつけ、肉汁が落ち着くまで10分寝かせる。
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フリーザーバッグの密封方法:https://youtu.be/N-t1ox7mox0
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結果①塩をふり、1日冷蔵庫で寝かせてからBONIQ
塩が染みこんでいるからか、外側が厚く茶色に変色している。
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柔らかいには柔らかいが噛みごたえがあり、塩味が均一である。
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<検証②塩で下味し、すぐBONIQ>
牛もも肉と塩をフリーザーバッグに入れて密封し、BONIQ(58℃ 3時間40分)
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で低温調理する。
その後、油を熱したフライパン(強火)で表面に焼き色をつけ、肉汁が落ち着くまで10分寝かせる。
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結果②塩で下味し、すぐBONIQ
一番美しいピンク色。やや肉が繊維状に分断されている。
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柔らかいには柔らかいが噛みごたえがあり、長く噛むほど塩味がなくなってくるので、やや肉々しさが顔を出す。
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<検証③BONIQ後、そのフリーザーバッグに塩を入れて味を1時間含ませる>
牛もも肉をフリーザーバッグに入れて密封し、
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BONIQ(58℃ 3時間40分)で低温調理する。
タイマーが鳴ったらバッグを取り出し、塩を投入して1時間塩を含ませる。
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その後、油を熱したフライパン(強火)で表面に焼き色をつけ、肉汁が落ち着くまで10分寝かせる。
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結果③BONIQ後、そのフリーザーバッグに塩を入れて味を1時間含ませる
美しいピンク色。滑らかな断面。最も柔らかい。
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しっとりジューシーな仕上がり。塩味が十分染みこんでいて均一である。
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「③ BONIQ後、そのフリーザーバッグに塩を入れて味を1時間含ませる」
に圧倒的軍配!
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まず柔らかさの点で他を圧倒している。そして均一な塩味の肉汁がじゅわーっと口の中に広がる。
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4cmと厚みのある肉であったが、BONIQ後に塩を入れて1時間で十分に塩味がしみ込んでいた。
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「① 前日から塩をふり、1日冷蔵庫で寝かせてからBONIQ」
「② 塩で下味し、すぐBONIQ」
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は好みが分かれるところ。
どちらも同じくらいの噛みごたえであるが、「③ BONIQ後、塩を含ませる」に柔らかさは劣る。
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見た目は①より②の方が鮮やかなピンク色で、断面の肉汁がつやつやしておりジューシーなのが見るからにわかる。
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①は塩と長時間接していた部分が茶色く変色しているので、見た目で損をしているが味わいは十分美味しい。
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両者とも噛みごたえがあるので長く噛んでいると、②はやがて塩味がなくなってくるのでやや肉々しさが出てくる。
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フリーザーバッグに残ったドリップについては②③の塩気が強く、①は塩気が弱くなっていた。
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すなわち、①はより肉に塩味が入っており、②③は肉に塩が入っていないことになる。しかし、③は圧倒的に肉が柔らかく、
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咀嚼の回数が少なくて飲み込むため、塩気が十分で美味しいと感じる。
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②は噛みごたえがあり何度も咀嚼するため、途中から肉々しさが出てくるものと思われる。
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以上の結果から・・・
オーブンで焼く従来の方法の場合、肉に塩を均一にしみ込ませるために
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塩をして1日寝かすのは有効かもしれないが、フリーザーバッグでの低温調理の場合、
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BONIQ後に塩を含ませる方法が肉汁の中で塩を浸透させられ、一番柔らかくジューシーに仕上がると結論づけられる。