いま、品切れが続出していると話題になっている食品があるんです。それは“ココナッツオイル”。みなさんご存知ですか? なかには美肌やダイエット効果などですでに注目している方もいるかもしれませんが、どうやら脳にもいいらしい! という情報を聞きつけ、さっそく取材に出かけました。
ココナッツオイルの輸入販売会社ココウェルによると、食用ココナッツオイルの販売量が前年比で500%超えと、現在驚異的な売れ行きなんだとか。その陰には、ココナッツオイルがアルツハイマー病の予防&治療に効果がある、ということが発見されたことがあるよう。ココナッツがアルツハイマーに効く!? これは詳しく知りたいですよね。ということでお話をうかがいました。
教えてくれたのは、順天堂大学大学院医学研究科 加齢制御医学講座教授で、長年、アルツハイマー病の研究に携わってきた白澤卓二先生です。
厚生労働省によると、2010年の認知症患者数は208万人で、65歳以上の有病率は8〜10%、85歳以上では約27%にのぼり、高齢化が進むにつれますます増えると推測されています。
そして認知症の原因となる疾患で一番多いのが、アルツハイマー病。脳の中に特定のタンパク質が蓄積して特殊なシミができ、神経細胞が変性して脳が萎縮してしまう病気です。
先生によると、アルツハイマー病の脳の状態をごくごくわかりやすくいうと、脳の“ガス欠状態”なんだとか。脳のエネルギー源は通常、糖質やタンパク質を元とする「グルコース」と、脂質を元とする「ケトン体」の2種類。ですが、アルツハイマー病の脳はグルコースが使えなくなっているので、エネルギー不足となり様々な認知障害が引き起こされます。そこで、もうひとつのエネルギー源のケトン体を作り出すことができるココナッツオイルを摂取すると、脳にエネルギーが行き届いて認知障害が改善するのだそう。
効果がわかりやすい人では摂取して4時間後には効果があらわれるのだとか。ココナッツオイル、すごいです…!
日本ではまだまだなじみの薄いココナッツオイル。どんなオイルかというと、ココヤシの果実の種子の胚乳からとれる油で、容器を開けると南国を思わせる甘い香りがプ〜ン♪ お菓子や飲み物などでおなじみの、ココナッツ特有のあの香りです。
では、どう食べたらいいかというと…
まずは
コーヒーやミルクティー、ココアなどの温かい飲み物に入れてみるのがおすすめ。コーヒーに入れれば簡単にフレーバーコーヒーに!
ちょっと慣れたら…
すると一気にエスニック風に! 意外にも発酵食品になじみがよく、みそ汁やキムチなんかにも合うんだとか。
料理で使うなら…
いつものカレーを作る際油をココナッツオイルにするだけで、アラ南国風に早変わり! ほんのり甘い香りがして、お店で食べるカレーのような♪
他にもスープや炒めものなど、プラスするだけで料理の雰囲気が変わるので、色々試してみるとおもしろそうです!
ココナッツオイルをスーパーで見かけたことのある人は少ないかもしれませんが、ネットなら手軽に購入可能。色々なメーカーから出ているので迷ったら、先生いわく、質の良い“エキストラバージンココナッツオイル”を選ぶのがおすすめだそう。ちょっと高いかもしれませんが、ここは良いものを。
脳の救世主になりそうなココナッツオイル。ただし注意したいのは、効果の現れ方には個人差があるということ。取り入れたからといって必ずしも効果があるかはわかりませんが、有効かどうかは血液検査などでもわかるようです。
身近でアルツハイマーの悩みがある方や、親が心配…などと思う方は、ココナッツオイルに注目してみるといいかもしれません。
取材協力 : 白澤卓二 氏
順天堂大学大学院医学研究科 加齢制御医学講座教授。日本抗加齢医学会理事。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学など。
最新著書に医学監修をつとめた「アルツハイマーの改善&予防に!ココナッツオイルでボケずに健康」(主婦の友社)がある。