はじめての離乳食
監修:牧野直子
スタジオ食(くう)代表。「家族みんなが楽しめる、身体に優しい、簡単で美味しいレシピの提案」をモットーに、テレビや雑誌などのメディア出演、離乳食本の監修など幅広く活躍中。生活保健所や小児科などでママたちへの栄養指導やメニュー提案もしている。一児の母。
初期(5〜6ヶ月)の離乳食はデリケート
赤ちゃんが、おっぱいやミルク以外の食べ物にはじめて出会うのがこの時期です。首がすわってきて、お母さんたちが食事をしているところをじーっと見つめたり、よだれがたくさんでてきたり、おっぱいやミルクをたっぷり飲んでも次の授乳までもたなくなったら、そろそろ離乳食をはじめてみましょう。初期は食べ物を口に取り込み、飲み込むことをおぼえ、母乳以外の味に慣れるステップです。離乳食=栄養をとる手段ではありません。食事は1日1回(1回食)、それ以外は引き続き母乳あるいはミルクをとります。
胃や腸が未発達なので、初めての離乳食は消化のよいおかゆからはじめます。離乳食初期レシピの中から何を選んでもよいというわけではありませんので、注意しましょう。最初は10倍粥をすりつぶし、トロトロ状にしたものひとさじ(計量スプーンの小さじ1=5mlに相当)からスタートし、ベビー用のスプーンで少しずつ食べさせてみましょう。少しずつ量を増やしてスプーン3~4杯分くらい食べられるようになったら、今度は甘みのある、消化のよい、にんじん、じゃがいも、さつまいもなどの野菜を入れてみます。それに慣れてきたら、豆腐、しらすぼし(いずれも湯通しが必要)などのタンパク質を入れていきましょう。
中期(7〜8ヶ月)の離乳食
トロトロペースト状の離乳食が飲み込めるようになり、お粥や野菜、白身魚などを合わせて10さじ程度コンスタントに食べられるようになったら、1日2回の離乳食(2回食)に進みます。この時期からは、舌と上あごの間でつぶしてモグモグできるようになるので離乳食のかたさや大きさを少しずつ変えていきましょう。食べられるものも増えるので、2回の離乳食は違うメニューにして、複数の食品を味わう機会をつくってあげましょう。薄く味をつける(大人の4分の1)ことも可能になります。赤ちゃんは必要な栄養の3分の1を離乳食からとるようになりますが、栄養の主体は引き続き母乳やミルクになります。
後期(9〜11ヶ月)の離乳食
後期に入ると母乳やミルクはだいぶ減ってきて、離乳食で栄養をとることがメインになります。大人と同じ1日3回(3回食)の食事となるので、できるだけ朝昼晩の時間を決めて生活のリズムを整えましょう。この時期には離乳食を舌で左右に送って、歯ぐきで噛んで食べられるようになります。同じ味だと飽きてしまうので、和風だしやトマト味など、バリエーション豊かな味付けで、味わいを楽しませてあげましょう。ただし、調味料は使いすぎず、薄味(大人の3分の1)になるよう心がけましょう。「自分で食べたい」という気持ちが大きくなるのもこの時期の特徴で、あれこれ手を出したくなりますので、手づかみメニューも用意してあげましょう。
赤ちゃんが食べてくれないのはなぜ?
赤ちゃんが離乳食を食べてくれないのは、つぶし方や、刻み方などの形状が合っていない、ごはんの前に既におっぱいを飲んでいた、などの理由が考えられます。離乳食の形状や食事の時間を守りましょう。また、酸っぱいものや苦い味をいやがる場合もありますが、これは動物的本能です。慣れや経験で食べられるようになりますので、徐々に味覚の幅を広げていってあげましょう。

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