【一年中安定発酵】冷蔵発酵のポイント
Description
材料
作り方
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■タッパーについて
底が透明で、発酵具合が確認しやすい物を使う。適度に深いと更に良い。条件を満たせばボウルもOK。
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■冷蔵庫の温度
低すぎないか心配なら、事前に室温用の温度計を冷蔵室に入れて検証する。5~10度の範囲なら大丈夫。
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■生地について
どちらも加水率は70%以上で、水分が多い生地。イーストは一般的なレシピの半分の量。
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生地の水や牛乳は、室温で推奨温度が異なる。28度以上は水なら加熱不要、20度未満は40度など。夏以外は35~40度。
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※冷蔵庫から出したての牛乳は夏でも冷たすぎるので、加熱は30度以下までと思えばOK。15度以下の水を嫌うイーストもいる。
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■温度管理について
冷蔵発酵で安定して一次発酵するためには、発酵を順調にする準備が必要。その一つが室温や生地温度の確認。
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写真は、材料を混ぜて休ませを繰り返し、表面が滑らかになった生地。この時、生地が冷たくないかがとても大事。
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多くのパンの捏ね上げ温度が含まれる24~28度より低く、触って冷たい場合、すぐに冷蔵庫に入れるとうまく発酵しない。
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そこで冷蔵発酵させる前に、室温や発酵機能30度で発酵させる。ここで生地を一回り膨らませると、その後の冷蔵発酵が安定する。
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ちなみに一回り膨らんだ後に丸め直すと、丸め直さない時と比べて少し生地に張りが出る。丸め直し後はすぐに冷蔵庫行きでOK。
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膨らんだ生地が力不足でだれた時は、これで生地を強化してフォロー可能。ちょっと生地表面の滑らかさが足りない時にも使える。
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■冷蔵庫に入れる前の発酵時間の目安(基本)
春秋冬→30度20~30分
夏→室温20分~
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■冷蔵庫に入れる前の発酵時間の目安(湯種)
春秋冬→30度30分
夏→室温20分~
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湯種パンのみ時間の目安が異なる理由は、自分の湯種パンは、発酵がやや遅いため。これに限らず、時間がかかる生地は長めが安心。
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☆夏場の見極め
夏場は室温が高いため、生地が完成する前に発酵が始まってしまう事が多い。丸めたて生地の表面に気泡が見える。
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油脂を入れる生地なら、油脂を混ぜた後に生地休ませる頃、休ませる前より一回り大きくなる事もある。目で見て明らかに膨らむ。
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10の状態で底から見たところ。表面に気泡が目立ってくると、底面も気泡が出来てくる。
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湯種以外は、室温に置いて生地が少し膨らむのを目で確認したら、すぐに冷蔵庫に入れても平気な位。湯種の場合は様子見が無難。
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■冷蔵発酵後に膨らまなかった時
生地が2倍にならなかった時は、まず35~40度で30分以上追加発酵する。
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冷蔵発酵後の生地は7〜8度。まず生地の温度を上げないと発酵が進まないので、1時間以上のタイムロスになる事もある。
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こうなると大変なので、少しでも不安なら冷蔵庫に入れる前の発酵時間を長くする。目安時間で足りなければ30度10分ずつ追加。
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■冷蔵発酵前に発酵し過ぎた時
生地が大きく膨らむまで放置した場合は、ガス抜きして丸め直してから冷蔵庫に入れる。
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こちらは夏に2倍になるまで室温で1時間以上発酵させ、一度ガス抜きしてから冷蔵発酵したパン。生地はきめ細かく、おいしい。
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うっかりミスでここまで長く発酵する事は滅多にないと思うが、失敗にはならない参考例として掲載。食パンなら普通に行う。
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理由は、捏ねない生地の場合、手や機械で捏ねない分、温度が下がりやすいため。冬はぬるい湯や牛乳を入れてもすぐに冷たくなる。
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具体的には、室温18度以下の部屋では、40度の水や牛乳で仕込んでも、冷蔵庫に入れる頃には24度未満というのも普通。
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そのため保温を忘れると、冷蔵庫に入れる前に30度で発酵する時にも膨らみが悪くなる。
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冷蔵発酵前の発酵をする時に生地温度が低ければ、35~40度で30分発酵すると、少し生地温度が上がる。
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特に生地が20度程度とかなり低い時は、大体膨らみも足りないと思う。しっかり膨らむまで、発酵を10分ずつ延長して様子見。
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■ベンチタイム
冷蔵庫から出したての冷たい生地の温度を上げるために、30度で生地を休ませる。
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ちなみに、冷蔵発酵した生地を成形する際の推奨温度は、16~20度。自分のレシピでは食パンなどの大型パンで意識している。
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16度の参考はこちら
http://sizuasa.blog44.fc2.com/blog-entry-341.html
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生地の温度を上げる時、大型パンはベンチタイムで生地を平らにすると温度上昇が早い。冬は35~40度25~30分に設定。
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大きく膨らむパンの場合、生地が冷たいと発酵も遅くなって面倒。その辺がシビアな食パンは、ベンチと別に復温の時間を取る。
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■発酵後の温度変化
冷蔵終了:7.8~8.8度
30度20分ベンチ後:15.3~8度
30度30分ベンチ後:17.6度
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■オーブン庫内+湯の保温
室温24度:庫内26~27度。
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■暑い時期の保冷
室温28度以上の時は、生地を休ませる間に生地が29度以上になりやすい。
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生地温度の目安が低めのハードパンは特に、材料を混ぜた後か、イースト&塩を混ぜた後位まで氷や保冷剤入りボウルを重ねて保冷。
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冷やし過ぎると今度は発酵が悪くなるので、保冷剤は途中で外す。冷蔵庫に入れる直前の発酵時に生地が28度を超えなければいい。
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材料の水温を下げる時の限度だが、イーストを別の水で溶かさない場合でも18~20度なら発酵に支障がないようだ。
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先に大さじ1~2程度のぬるま湯でイーストを溶き、それから残りの冷やした水と一緒に粉に入れる場合も、特に問題はなかった。
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■ドライイーストの混ぜ方
ゴムベラですりつけるように、しっかり粒をすり潰す。粒がまんべんなく潰れてから全体に混ぜる。
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混ぜる時に残っても焼く頃には消滅するが、発酵にむらが出ないとは言い切れないので、粒は最初にすり潰しておくといいと思う。
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■厳密な温度管理をする場合
気温が極端な時期は、水や牛乳の温度調整だけだと生地の温度調整には限界がある。
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具の温度も当然影響する。例えばチーズを冷蔵庫から出してすぐ混ぜると、結構生地が冷える。夏場は有効利用できそう。
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もちろん生地が冷えやすい冬場に冷やすと困るので、混ぜる直前に具の用意をせず、時間に余裕を持つ配慮をする。
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■12時間以上冷蔵庫の場合
半日以上、特に18時間以上の冷蔵発酵は、途中で膨らんだ生地を一回ガス抜きしてしまい直す。
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膨らんだ生地を放っておくと、アルコール臭がきつくなりすぎたりする。夜に仕込んだ生地を、午前と午後に分けて焼く時は注意。
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■室温7~12度限定の荒業
捏ね上げ温度が低くなり、十分発酵時間も取れない時。そのまま部屋に翌日まで放置する事も可能。
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要は冷蔵室だと発酵が進まないと分かっているので、やや暖かい野菜室を選ぶ感覚。避けたい事態だが、やむを得ない時の博打。
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それでも、何とかなりそうなのは小型パン位だと思う。あるいは一次発酵で大して膨らませないクロワッサン系。食パンはだめそう。
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コツ・ポイント
このレシピの生い立ち
21/7/6:暑い時期の保冷について加筆。