日本No.1レシピサイト「クックパッド」編集部
冷えた体と心(?)をほっこり温めてくれるのはやっぱり和の煮物。そんなときにぴったりなのが、金沢名物「治部煮」です。映画『武士の献立』にも登場し、高良健吾さんも大絶賛した一品。なんだかとってもむずかしそう?いえいえ、実はおなじみのリーズナブル食材で、料理ビギナーさんも作れるメニューなんです!
12月3日、映画『武士の献立』公開を目前に控え、本作で高良さんの料理指南を務めた、京都で腕をふるう料理家・今西好治先生を招いてのイベントがクックパッドにて実施されました。 “普段は全然料理しないんです…” “パスタとかは作るけど、和食はハードルが高いので作りません” 参加したのはそんな料理ビギナー多数の女性たち。
講義内容は、出汁(だし)を使った、治部煮・だし巻き卵・お吸い物の3品でした。 中でも治部煮は金沢の代表的な郷土料理。加賀藩が舞台となる映画『武士の献立』でも、この治部煮が重要なシーンに登場します。本来は鴨肉、さらに映画ではすだれ麩を使いますが、今回は手に入りやすい鶏胸肉を使ったレシピを大公開。 先生が教えてくれたポイントも詳しく紹介します!
<材料=2人分>
鶏胸肉 60g(*鴨胸肉も同じ)
車麩 1枚(*すだれ麩なら2切)
生椎茸 2枚
せり 10本くらい
小麦粉 大さじ3
わさび 適量
★しょうゆ 大さじ2
★みりん 大さじ1
★酒 大さじ1
★砂糖 小さじ2
★出し汁 250cc
<作り方>
1.生椎茸は石づきをとり、好みで飾り包丁を入れます。車麩は水で戻し4等分しておきます。
→椎茸の石づきは手でちぎるのでOK。表面には浅く格子に切れ目を、裏面は包丁の刃先で数カ所突いて切れ目をいれましょう。そうすると、短時間でも味がしみ込みます
2.せりは沸かした湯でさっとゆで、3cm幅に切っておきます。
→あとで煮るので湯に塩は不要。せりは茎から入れ(青菜はすべて同じ!)、くるっと鍋の中でひっくり返して色が鮮やかになるタイミングで引き上げます。また3cmというのは一口一寸3cmと言って食べやすい大きさのこと。一口大というときは3cmと覚えておくといいですよ
3.鶏胸肉は厚さ7〜8mmにそぎ切りし、たっぷりの小麦粉をまぶしておきます。
→厚さはそろえるのが美味しさのポイントです。そぎながら切って最後に包丁の刃先をすっとたてると、皮もきちんと切ることができます。また小麦粉はたっぷりつけておくことが、治部煮の美味しさの決め手です
4.鍋に★をすべて入れて火にかけ煮立った中に、鶏胸肉、車麩、椎茸を入れて煮ます。鶏肉に火が通り、煮汁にとろみがついてきたら、せりを加えて火を止め完成です。わさびを添えていただきます。
→盛るときには、手前に色の鮮やかなものを置くと美味しそうに見えますよ
“いろんなコツがとても参考になった。”
“今まで和食を作ったことがなかったけど楽しかった!実際作ってみて、短い時間で美味しくできたと思う!”
参加者のみなさんも大満足だったようです。今西先生曰く「小麦粉を使うことで、味を濃厚にできるので治部煮は時間がないときに便利です。野菜は煮込むのに時間がかかりますが、短時間でも味がしみて完成するのが治部煮」なんだそう。リーズナブル食材かつスピード料理。敷居の高かった金沢料理がぐんと身近に感じますね。
「鶏肉は胸肉だけでなくもも肉でも、豚肉や牛肉でも。ただスライス肉を使うときは小麦粉は薄めにつけてください。そして、ぜひ鴨肉にも挑戦してみてください。鴨肉の場合は、麩としいたけが煮えた後、入れてひっくり返してくらいのさっと煮で火をとめるのがコツですよ」
さっそく、今日の晩ごはんにいかがですか?
実は、このイベントにはサプライズで高良健吾さんが登場!
思わぬ演出に参加者達は驚くやら、緊張するやら、喜ぶやら…。撮影終了後半年ぶりの再会ということで、二人のトークショーが盛り上がりました。
「最初は本当に全然だったよね・・・」といいつつ、高良さんのセンスと練習量をべた褒め。反対に高良さんは、これまで料理といえば「鍋だけ(笑)」だったのに「先生は一回失敗させてくれるんですよ。そのあとに、こうこうだよと指導してくれる。すごくありがたかったし、今西先生のおかげで料理が好きになれました」とのこと。二人のこのコンビネーションがあったからこそ、料理ベタな包丁侍がどんどん料理上手になっていく『武士の献立』のあの迫真の演技が生み出されたのかもしれません。
そんな二人に、美味しく料理を作る秘訣をズパリ聞いてみました!
「 “おもてなし”の気持ちですね。人に対しての想いがあって成立するのが料理だと思うんです。美味しさはその後からついてくるものですからね」(今西先生)
「僕も思いやりだと思います。相手にも自分にも、美味しいものを作りたい。それが思いやりですよね。料理を作る時は、相手を思ってつくると楽しいし、美味しいと言ってもらうと嬉しいですしね。」(高良さん)
ただお腹を満たすだけじゃない、心も満たす料理を、誰かのために、そして自分のためにも作っていってほしい。そんな想いが伝わった料理イベントでした。
江戸時代。“刀”ではなく“包丁”で、藩に仕えた武家。“料理”で動乱を乗り越えた、実在の家族の物語。12月14日(土)全国ロードショー。公式サイトはこちら
「今の時代はスーパーに行けば何でもすぐ手に入りますけど、昔の人の“いただきます”はまた違うのかなと。あの頃、ひとつの料理を作るのにどれだけの思いがこもっていたか。そういうところも見て頂けたらと思います」(高良健吾さん)
ちなみに、今西先生も武士に扮してエキストラとして出演中だとか。劇場でチェックしてみて!
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