つぶ貝・バイ貝の下処理について

テトラミンとは?

つぶ貝やバイ貝の唾液腺には食中毒の原因となる毒素が含まれています。テトラミンと呼ばれるこの毒素は加熱しても分解されないため、調理前に除去する必要があります。

唾液腺を除去しないで食べると、食後30分後ほどで視力低下、めまい、物が二重に見えるなど、お酒に酔ったような中毒症状が現れます。通常数時間で回復しますが、人によっては症状が重くなることもあります。

つぶ貝とバイ貝は混同されている場合も つぶ貝と称して流通しているものには、エゾバイ科の巻貝でエゾボラ(マツブ)、ヒメエゾボラ、エゾボラモドキなど数多くの種類があります。

一方でエゾボラモドキやチヂミエゾボラは赤バイ、エゾバイ属のエッチュウバイを白バイと呼んでいる地域もあるようです。

地域によって名称が異なる場合もありますし、つぶ貝とバイ貝は同じものとして流通している場合もあります。 種類も数多く存在し複雑ですが、市場に流通している一般的なつぶ貝については、一対の唾液腺を除去することにより安全に食べることができると考えられます。

バイ貝にはフグ毒も

一方でバイ貝の中にはフグ毒を持つ種類もあります。
フグ毒は食後20分から3時間ほどで唇のしびれ、歩行困難、言語障害などを引き起こし、重症の場合は呼吸困難で死亡することもあります。
またフグ毒をもつ小型エゾバイ科のバイや、一般に市場に流通している貝ではありませんがムシロガイ科のキンシバイなどは、有毒部を取り除くことは難しいため、有毒部が除去されているか確認できないものは食べないことが食中毒予防となります。
釣りや海水浴などで貝を採っても、種類が判別できないときには食べないようにしましょう。

予防策は?

市販のつぶ貝やバイ貝、その加工品については、唾液腺を除去してから販売されている場合もありますが、購入時等に唾液腺が除去されているか確認することが大切です。特に加工されていない殻付きのものは、調理前に必ず唾液腺を除去しましょう。

唾液腺の除去方法

唾液腺は、貝の身を半分に割ったときに左右にある、乳白色から淡黄色の脂身のように見える器官で、手でしごくと簡単に取り除けます。

※詳細はこちらを参照ください。

参考