【メモ】ガナッシュのポイントの画像

Description

自作生チョコやトリュフの味の向上のため、色々調べたメモ。分離した時の対処も記載。気付いた事があれば改訂。

材料 (%はベーカーズパーセント)

植物性ホイップクリーム(30%台)
50ml…50%
純粋はちみつ
小さじ1(7g)…7%
10~15g…10~15%
用途に応じて追加

作り方

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    ■前提
    ガナッシュ系全般、チョコをどっさり用意すると作業しやすい物が多い。余っても日持ちがするので、1kg買っていい。

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    ◆案内
    ガナッシュの分離の対処だけ見たい方は46へ。

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    ■チョコ選び
    扱いが楽なのは製菓用。板チョコは刻む手間などがかかる。コーティングにも粘り気があるのでそのままだと不向き。

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    しかしチョコの味が重要なので、板チョコが好みなら特性を理解して使うと良い。スイート+ミルクのようなブレンドもおいしい。

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    製菓用チョコを選ぶ時も、普段好きな種類を選べばいい。甘いのが好きならミルクチョコ。苦めが好きならスイートやビター。

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    もし他の菓子にも使うつもりで買うなら、甘過ぎない方が使い勝手はいい。その場合はスイートがお勧め。

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    コーティング用は専用のチョコを買うかサラダ油を加えるレシピで自作するのがお勧め。テンパリングより断然楽。

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    ■練習時の分量
    トリュフ・生チョコ系は、チョコ50gのような極少量だと逆に難しい。チョコ100g位が作りやすい最低量。

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    難しくなる原因は、少量だと温度変化が大きい事。例えばテンパリングが楽な量は、cotta曰く最低300g。結構いる。

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    チョコを1kg買っていいと言ったのもこの辺が理由。例えば本番と予備にチョコ200gずつ確保するだけで、400g使う計算。

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    それでも、1kgあれば残り600gで100gの練習を6回練習できる。プレゼント用なら特に、事前に練習する分は欲しい所。

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    ■チョコの刻み方
    室温に戻さないと、固くて切りにくく危険。もちろん部屋が寒いと柔らかくならないので、20度位にしておく。

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    急いでるからといってレンジにかけても、思ったように柔らかくならないので注意。

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    ■クリームの選び方
    35%程度が作りやすい。植物性なら低脂肪表示がない物。何も指定がなければこれでOK。

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    別にガナッシュに限った事ではないが、乳脂肪分の数字が違うとクリームとしての特徴も違ってくるので、指定があったら指定優先。

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    ■副材料・バター
    バターはくちどけをアップさせ、コクも出る。少量しか使わないので、有塩でもOK。

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    植物性クリームを使うため、クリームに乳脂の旨みの供給は頼れない。そこで、乳脂肪の塊であるバターに頼るという意味もある。

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    ただしフォンダンショコラのように、もう一度溶かす物に使うなら、溶けた時の分離を回避するために入れない方がいいらしい。

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    そういう用途でガナッシュを超おいしくしたいなら、動物性クリームを買った方が無難だと思う。

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    ■副材料・はちみつ
    お菓子がしっとりする保湿力で日持ちを良くし、冷やしても硬くなりすぎない。チョコのなめらかさを保つ。

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    これらは成分の転化糖の効果。入れると、冷蔵庫から出したてでも滑らかで柔らかめの生チョコになるのでお勧め。水飴も同様。

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    特に、いつもトリュフを丸める作業で生地が硬くて困っている人にはいいと思う。

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    自分のレシピではトップバリュの純粋はちみつを使用している。高価な物をわざわざ買う必要はない。手持ちにあるならお好みで。

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    ■温度管理
    湯煎やチョコの温度も大事だが、室温も18~20度は欲しい。15度以下はすぐに材料が冷え切り、作業が難しい。

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    例えば、夜遅くの個人作業で暖房はもったいない。という事をやると失敗のもと。冬なら暖房はケチらない。

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    湯煎
    湯煎の湯は少量だとすぐ冷めるので、500ml〜1L位用意すると楽。直径18cm程度の片手鍋で沸かせば大体足りる。

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    熱湯を使えないので、冷めにくい量を用意すると本当に楽になる。湯がほとんど入らない物を使うと適温が10分も持たない。不便。

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    熱湯を使って湯煎しないとチョコが溶けないと思うなら、それがもうお湯が足りてない証拠。お湯を増やして楽をする事。

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    湯煎用の器の理想は、チョコのボウルの下がぴったりはまり込む形。安定するので作りやすい。条件に合うなら丼でも何でもいい。

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    チョコのボウルが湯煎用の器より小さいと、ぷかぷか浮く。かき混ぜにくく湯が入る危険も高い。この状態は避けたい。

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    ボウルの方が大きくても、お湯を入れ過ぎるとボウルが浮く事がある。この場合、チョコは無事だが作業場所の水浸しリスクが出る。

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    後始末が大変なので、お湯の温度を調整する時は、面倒くさがらずに適切な水位を守る事。捨てる湯よりこぼした後の手間を惜しむ。

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    ■チョコの溶かし方チョコだけ単独でレンジで溶かすなら、細かくしないとタブレット型もうまく溶けない。水分が少ないせいかも。

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    チョコとクリームを一緒に加熱しないレシピは、レンジでうまく溶けないと感じたら、続きは湯煎と割り切る方がいい。

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    日本チョコレート工業協同組合曰く、チョコの水分は3%以下らしい。そもそもレンジが苦手な食材なのかもしれない。

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    ■クリームの投入方法
    温めたクリームを最初から全部入れる方法と、3~4回に分けて入れる方法がある。

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    最初に全部入れるのは幅広く見かける作り方。3~4回に分ける方はあまり見かけないが、サントス式乳化法と呼ばれる作り方。

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    一気に入れる方法でうまくいかない人は、3回に分けて入れる方法を試すといいかも。一度激しく分離させる事が乳化のコツになる。

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    Youtubeで「サントス式乳化法」や「分離式乳化法」で調べると実際の作業動画が出てくるので、とても分かりやすい。

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    3~4回に分ける方法は、クリームの量が少ないと混ぜる間に残りのクリームが冷えやすい。

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    クリームが100ml以上のように、ある程度分量が多い方が安定しそう。入れる間、残りのクリームの保温をするのも良い。

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    チョコ100g位のレシピなら、作業中のチョコは湯煎状態にしておくと温度が下がり過ぎなくて楽。ボウルの材質にもよる。

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    どちらの方法を選ぶにしても、チョコ:クリームが2:1程度の配合なら、写真のような状態となる。たらすとリボン状に重なる。

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    もっとクリームが多いなど、緩くなる配合なら状態は変わるので、完成形の写真がはっきりわかるレシピがお勧め。

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    この状態で固めると、冷蔵庫から出したてでもとても丸めやすい仕上がりになる。

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    爪楊枝で刺して食べられる固さなので、それだと困る場合はコーティングチョコで殻を作る必要がある。

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    ■失敗した場合
    完全な分離。これは流石に分かりやすいが、分かりにくさがいやらしい、大成功でもない微妙な出来は結構ある。

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    艶はあるが、生地がサラサラしている。

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    艶がデミグラスソース状態。実はこれも分離に入るらしい。

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    これを固めるとこうなる。表面に油分が浮いている。生地は固め。はちみつも入っているので、口溶けは結構いい謎の仕上がり。

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    直す時は色々なやり方があるが、今回は蜂蜜やバター、洋酒が加わったガナッシュが前提。直す時の材料はチョコやクリーム。

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    溶かし直して、溶けた別のチョコ10gに少しずつ混ぜて改めて乳化させた所。材料をケチったので1時間かかった。

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    一旦完全分離のギトギトに持っていかないと直らないが、ケチるとなかなかここに行ってくれないのが面倒な理由。

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    成功例より若干硬いが、なめらかになる。しかし直すのは余分な材料も時間もかかる。その時間でそのまま食べる方がいい。

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    こちらは溶かし直して、チョコ:クリームが2:1から1:1になるようにクリームを追加した場合。30分以内に修復完了。

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    クリームが増えるので柔らかくなるが、おいしい。

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    チョコと生クリームのみのシンプルな配合ならともかく、蜂蜜(水飴)や酒など副材料が多い場合は追加材料を十分使って修復する。

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    失敗した時点で、元の配合のまま修復は無理と諦める方が早い。どうしても配合が崩れるとまずい場合なら作り直そう。

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    いずれにしても時間や材料が余分にかかるので、レシピの溶かし方の成功のコツを十分調べてから作るのが一番。

コツ・ポイント

材料と手間をケチらないのが成功率を上げるポイント。チョコを溶かす湯はたっぷり用意し、クリームを混ぜる時は面倒くらず毎回真ん中から混ぜ始め、徐々に周辺に広げる。
手抜きは逆に面倒臭くなって時間もかかる元。手を抜かないのが一番楽でサボれる。

このレシピの生い立ち

植物性クリームのトリュフチョコの作成で気付いた事を全部書こうとしたところ、長くなったので分離した。
21/2/14 湯煎の湯について追記。
レシピID : 6059218 公開日 : 21/02/12 更新日 : 21/02/17

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