ホールディングは有効?~牛ももVo.3~
Description
材料
作り方
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「ホールディング」とは「調理した塊肉を、それ以上調理が進まないような温度で“保温”しておくこと」だが、
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例えばレストランなどでオーダーが入れば温かい状態ですぐサーブできるように、ローストビーフなどに使われる手法である。
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ところがこの「ホールディング」には「保温」だけでなく、なんと「肉を柔らかくし、旨みをアップさせる」すなわち
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「肉の熟成」の効果があるとも言われている。「肉の熟成」とは「温度や湿度を完璧にコントロールし、肉を腐敗させずに
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微生物の働きよって旨みを引き出し肉を柔らかくすること」であるがこれには数十日もかかるという。
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このホールディングの効果の程を検証した実験「ホールディングは有効?比較実験 ~牛ももVo.2~(6626826)」
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では「6時間10分(※厚さ4cm牛肉の55℃最短調理時間)」よりも「12時間」、さらに「24時間」で旨みがアップし、
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肉の歯切れがよくなって柔らかくなることが確認された。(57℃の場合は24時間の低温調理では、旨みは増すがパサついてしまう
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ことを確認している。参照:「ホールディングは有効?比較実験 ~牛もも編〜」(6585020))
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それならば、24時間以上だとどうなるのか?
長く低温調理すればするほどもっと美味しくなるのであれば、
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低温調理の新たなメソッドの大発見である!
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どんどん旨みがアップし、柔らかくなるのか?はたまた、ドリップが流出し過ぎてパサパサになるのか?
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そこでオーストラリア産牛もも(厚さ4cm)を使い、
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実験① BONIQ(55℃ 24時間)→バッグに塩を入れて肉に含ませる
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実験② BONIQ(55℃ 36時間)→バッグに塩を入れて肉に含ませる
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実験③ BONIQ(55℃ 48時間)→バッグに塩を入れて肉に含ませる
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この時、塩を入れるタイミングは低温調理後にバッグに塩を入れて肉に含ませることとする。
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(「58℃ ローストビーフ低温調理 塩投入比較(5173129)」参照:「低温調理後、
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塩をバッグに入れて含ませる」が一番歯切れがよく、ジューシーであるという結果になった。)
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BONIQ設定
55℃
実験① 24時間
実験② 36時間
実験③ 48時間
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<比較実験>
すべて同じ大きさ、厚さに整えた牛もも肉を
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実験①BONIQ(55℃ 24時間)
実験②BONIQ(55℃ 36時間)
実験③BONIQ(55℃ 48時間)
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BONIQの終了タイマーが鳴ったらそれぞれバッグを開けて塩を入れ、肉に含ませ冷却する。(1時間)
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その後比較試食を行う。
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<比較実験結果>
まずドリップの量を比べてみると、
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実験① BONIQ 24時間:27g
実験② BONIQ 36時間:29g
実験③ BONIQ 48時間:39g
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時間が長くなるにつれドリップ流出量は増えている。
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次に試食すると、
実験①:旨みがしっかりしており、柔らかく歯切れが良い。
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実験②:①よりさらに旨みがアップしている。見た目にはジューシーさがないが、パサつきはしない。かなり柔らかく歯切れが良い。
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実験③:①②よりまださらに旨みがアップしている。肉の繊維がほぐれ、スライスすると崩れかける。
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パサつきはない。一番歯切れが良い。
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以前の実験の結果より、「①24時間」は最短で調理した時(厚さ4㎝牛肉で55℃ 6時間10分)よりも旨みがアップし
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柔らかくなっていることは予想通り。
「②36時間」さらに「③48時間」と、
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①よりももっと旨みが強くなっており、それらは舌の横が痛いくらいである。
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塩だけでこれほどの旨みが引き出されることは驚きである。
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だが③はスライスする時にやや身が崩れる。肉の繊維がほぐれだしている。
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まとめると、
柔らかさ:③48時間>②36時間>①24時間
しっとりさ:① ≒ ②>③
旨み:③>②>①
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総合的な美味しさ ② > ①③
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①~③はどれも“赤みが強く肉汁したたるようなローストビーフ”とは別ものであるが、
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肉そのものの旨みとしては格段にアップしている。多く出るドリップにも旨みがしっかりあるので、そのまま食べるのではなく、
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ソースとして皿の上に戻してやるべきだと思う。
そして、「これはローストビーフ」と言える最長は
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「②36時間」あたりではないだろうか。「③48時間」はもはやローストビーフではなく、
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パテとかコンビーフの一歩手前のような、何か別ものである。これはこれで何か別の料理ができそうだ。
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コツ・ポイント
このレシピの生い立ち
また、これはものすごく歯切れが良いのでとても食べやすく、子供でも上手に食べられると思います。