頭ワタあり&なし サンマ&イワシ比較実験

頭ワタあり&なし サンマ&イワシ比較実験の画像

Description

BONIQマニアにおくる、低温調理の疑問あれこれの検証。実際調理をする中で出てきた疑問を検証してみる。

材料

実験①②
各1尾(約160g)
適量(振り塩用)
エクストラバージンオリーブオイル
各大さじ2
頭と内臓落とした後のサンマ重量の0.6%
 
実験③④
各2尾(約100g)※大きさによる。なるべく大きめのものを。
適量(振り塩用)
エクストラバージンオリーブオイル
各大さじ2
頭と内臓落とした後のいわし重量の0.6%
 
※臭みがどう出るのかを調べるため、あえてニンニクやハーブなどは入れずに行う。
-

作り方

  1. 1

    <比較実験背景>

  2. 2

    通常、魚の内蔵は傷みが早いので加熱しても食べられないものが多いが、サンマやイワシは新鮮なものであれば内蔵(ワタ)も

  3. 3

    も食べられる。なぜならばこれらには胃が無く体内にエサが残っていないために細菌が繁殖しにくいからであり、

  4. 4

    ワタまで美味しく食べることができるのである。
    これまで低温調理でオイルサーディンを作ろうといろいろ調べてきたが、

  5. 5

    ほとんどの市販されているものや出回っているレシピでは頭とワタが取り除かれている。「サンマのコンフィ」は

  6. 6

    頭とワタが付いているものも少数あるが、イワシはほとんど見当たらない。なぜだろうか?苦くて臭くなるとか?

  7. 7

    というのは「頭ワタ付きさんま煮は臭くなる?比較実験(ID:6570255)」では、

  8. 8

    サンマの「頭・ワタあり」vs.「頭・ワタ無し」
    を“しょうゆ煮”で比較したものであるが、

  9. 9

    「95℃ 7時間」で頭や骨も食べられるようになり、「頭・ワタあり」は臭みもなく「頭・ワタなし」よりもさらに

  10. 10

    旨みが出て断然美味しいという結果になった。

  11. 11

    上の実験は“しょうゆ煮”なので、もしかしたらオイルサーディンのように油の中で加熱する“コンフィ”とは結果が違ってくる

  12. 12

    のかもしれないが、それでも「頭・ワタあり」の方が美味しくなる可能性は大いにある。

  13. 13

    それに、たくさんのイワシの頭とワタを取るには手間がかかる。

  14. 14

    以上のような理由から頭とワタを取らずに、より簡単で美味しくオイルサーディンはできないか?

  15. 15

    そこで、「さんま」と「いわし」に振り塩をした後、オリーブオイルと共に

  16. 16

    実験① サンマ “頭・ワタなし”
    実験② サンマ “頭・ワタあり”

  17. 17

    実験③ イワシ “頭・ワタなし”
    実験④ イワシ “頭・ワタあり”

  18. 18

    をBONIQ95℃ 7時間で行う。

  19. 19

    実験①②は「“しょうゆ煮”と同様に“コンフィ(油煮)”でも頭・ワタ付きサンマは臭くならず美味しくなるのか?」の

  20. 20

    答え合わせであり、
    実験③④はイワシの場合はどうなるのか?この結果が簡単美味しいオイルサーディンへの指標となる。

  21. 21

    写真

    <BONIQ設定>

  22. 22

    95℃
    7:00(7時間)

  23. 23

    <比較実験>

  24. 24

    写真

    サンマとイワシにそれぞれ振り塩をし、冷蔵庫で30分おく。

  25. 25

    写真

    実験①③ → サンマ/イワシの頭を落とし、内臓を取る。血合いを流水でよく洗う。

  26. 26

    写真

    実験②④ → そのまま流水で洗う。

  27. 27

    ペーパーで水気を拭いて、それぞれフリーザーバッグに入れる。

  28. 28

    写真

    BONIQ 95℃ 7時間で低温調理を行い、その後室温まで冷まし比較試食を行う。

  29. 29

    写真

  30. 30

    <比較実験結果>

  31. 31

    結果は・・・まず「実験① サンマ “頭・ワタなし”」はクリアな旨味であるのに対し、「実験② サンマ “頭・ワタあり”」は

  32. 32

    濃厚な旨味が出ている。特に臭みなどは無い。しかし・・・ワタの部分がかなり苦い。

  33. 33

    他の部分もなんだか苦く感じる。苦さが旨味を覆い隠してしまっているのではないか。

  34. 34

    例えば塩焼きのサンマであれば、苦味のあるワタも美味しくいただけるし、ワタありが良いか無しが良いかは好みの問題である。

  35. 35

    しかしこのオリーブオイルと塩でコンフィにしたサンマのワタはかなり苦く、味全体を支配しているように感じる。

  36. 36

    「実験③ イワシ “頭・ワタなし”」はこちらもサンマ同様クリアな旨味であり、「実験④ イワシ “頭・ワタあり”」

  37. 37

    はより濃厚な旨味が出ていてコクがある。

  38. 38

    臭みも出おらず、②のサンマほど苦くない。③より④の頭・ワタありの方が味的には良いのだが、かなり身が崩れやすい。

  39. 39

    ③も崩れやすいが、④は頭がある分余計に扱いづらい。そっとヘラですくってフリーザーバッグからお皿に移そうとしたが、

  40. 40

    頭がぼろりと取れて皮が剥がれてしまう。これでは見た目がとても悪い。

  41. 41

    販売されているオイルサーディンは小さいイワシがきれいに整然と並んでいるが、頭やワタがついたままそのような美しい仕上がりに

  42. 42

    できるのか?
    もう少し短い設定時間でBONIQすれば綺麗な状態で仕上がるのか、それで骨まで食べられるのか?

  43. 43

    まとめると、

  44. 44

    旨味:サンマ ②あり>①なし、イワシ ④あり>③なし

  45. 45

    苦味:サンマ ②あり>①なし、イワシ ④あり>③なし

  46. 46

    総合的な美味しさ:サンマ ①なし>②あり、イワシ ④あり>③なし

  47. 47

    コンフィにした場合、サンマもイワシも「頭・ワタ付き」の方が間違いなく濃厚な旨味が出る。

  48. 48

    しかしサンマの場合は苦くなりすぎるので、やはりワタは取り除いた方が良いと思う。

  49. 49

    イワシの場合はそこまで苦くならなかったので「ワタ付き」を推したいが、結論づけるにはまだ早い。

  50. 50

    もっと短い設定時間で骨まで食べられ、見た目も綺麗に仕上げられるかが課題である。

  51. 51

    <作った感想>

  52. 52

    前回の「頭ワタ付きさんま煮は臭くなる?比較実験(ID:6570255)」ではしょうゆ煮にしたサンマは、「頭・ワタあり」は

  53. 53

    臭みもなく「頭・ワタなし」よりもさらに旨みが出て断然美味しくなりましたが今回のサンマのコンフィはワタから苦味が出てしまう

  54. 54

    という結果になりました。なぜしょうゆ煮の場合は苦味が出なかったのか?酒やみりんを使っていることと関係があるのか?

  55. 55

    さらに調べが必要です。

  56. 56

    またイワシの方は「頭・ワタ付き」が味は美味しいものの見た目がボロボロになってしまったので、

  57. 57

    見た目も綺麗に仕上げられるのか?それで骨まで食べられる美味しいコンフィができるのか?さらに研究をすすめたいと思います。

  58. 58

    <さんまの低温調理 比較実験シリーズ>

  59. 59

    骨まで柔らかくなる?さんま 比較実験
    ID:6039784

  60. 60

    頭ワタ付きさんま煮は臭くなる?比較実験
    ID:6570255

  61. 61

    <いわしの低温調理 比較実験シリーズ>

  62. 62

    85℃骨まで柔らかくなる?いわし比較実験
    ID:5621987

コツ・ポイント

上記工程内参照。

このレシピの生い立ち

上記工程内参照。
レシピID : 7065847 公開日 : 22/01/05 更新日 : 22/01/05

つくれぽ みんなのつくりましたフォトレポート