鶏もも低温調理カットタイミング比較実験②
Description
カットせずに1枚のまま低温調理をした場合とカット後に低温調理をした場合で仕上がりに違いはあるのか?
材料
作り方
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<比較実験背景>
「鶏もも低温調理 カットタイミング比較実験(前塩)(ID:6883825)」の続編(後塩)。
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前編で、以下の2つの方法からカットのタイミングによる仕上がりの違いを探った。
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①カットしない1枚のままの鶏もも+塩をBONIQ
②食べやすい大きさにカットした鶏もも+塩をBONIQ
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その結果、「ジューシーさを取る(優先する)なら①」、「味の染み込み具合を取るなら②」、という結果になった。
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(「鶏もも低温調理 カットタイミング比較実験(ID:6883825)」参照。)
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この実験では「鶏もも+塩を低温調理し、その違いを比較」したが、今回は「鶏もものみを低温調理し、
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低温調理後バッグに塩を加える」という〝後塩〟の方法で、「カットせずに1枚のまま低温調理をした場合」と
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「カットしてから低温調理をした場合」でその仕上がりに違いはあるのかを探る。
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(「ローストビーフ低温調理 塩投入比較(ID:5173129)」参照
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「低温調理後、塩をバッグに入れて含ませる」が一番歯切れがよく、ジューシーであるという結果になった。※)
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以下の2パターンでそれぞれの仕上がりの違いを比べてみる。
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①カットしない1枚のままの鶏もものみをBONIQ、後から塩を含ませる
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②食べやすい大きさにカットした鶏もものみをBONIQ、後から塩を含ませる
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前編の結果も合わせた総括として、鶏もも肉を低温調理する際、以下の4つの方法のうちどれがベストな仕上がりになるのか?
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それぞれの違いから、向いている料理は見い出せるのか?まで検証してみる。
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A. カットしない1枚のままの鶏もも+塩をBONIQ
B. 食べやすい大きさにカットした鶏もも+塩をBONIQ
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C. カットしない1枚のままの鶏もものみをBONIQ、後から塩を含ませる
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D. 食べやすい大きさにカットした鶏もものみをBONIQ、後から塩を含ませる
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※「ローストビーフ低温調理 塩投入比較(ID:5173129)」では「低温調理後バッグに塩を入れ、1時間置いて含ませる」
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こととしているが、今回の実験では便宜上「低温調理後バッグに塩・こしょうを入れ、5分間置いて含ませた後実食」とする。
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<比較実験①>
カットしない1枚のままの鶏もものみをBONIQ、後から塩を含ませる。
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筋と余分な脂を切り落とした鶏ももをフリーザーバッグに入れ、BONIQで低温調理をする。(62℃ 1時間45分)
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BONIQの終了タイマーが鳴ったらバッグを開けて塩を入れ、肉に含ませる(5分間)。
その後比較試食を行う。
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<比較実験②>
食べやすい大きさにカットした鶏もものみをBONIQ、後から塩を含ませる。
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筋と余分な脂を切り落とし、適度な大きさにカットした鶏ももをフリーザーバッグに入れ、
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BONIQ(62℃ 1時間45分)で低温調理をする。
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BONIQの終了タイマーが鳴ったらバッグを開けて塩を入れ、肉に含ませる(5分間)。
その後比較試食を行う。
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<比較実験結果>
まずドリップの量を見てみると「①カットしない1枚のままの鶏もものみをBONIQ、後から塩を含ませる」
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と「②食べやすい大きさにカットした鶏もものみをBONIQ、後から塩を含ませる」で大差はなく、実際に肉汁の量を測ってみると
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10g程度の差となった。
前編の「鶏もも低温調理 カットタイミング比較実験(ID:6883825)」では、
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「①カットしない1枚のままの鶏もも+塩をBONIQ」の肉汁量が40gに対して、
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「②食べやすい大きさにカットした鶏もも+塩をBONIQ」は160gと、
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②の方が①の4倍もドリップ量が多く、その差は歴然だった。
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このことからも、「〝後塩〟であれば、カットした後に低温調理をしてもジューシーさを
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保つことができる」ことが分かる。
次に実食してみると、①(1枚のままの鶏もも)よりも②(カットした鶏もも)の方が
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味の染み込み具合は断然良く、しっかり肉に味がついている。
塩の味も肉の味もダイレクトに感じることができ、
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ぷりっとした歯応えもしっかり楽しめる。
(実食の際は①の1枚のままの鶏ももも適度な大きさにカットし、
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実食~比較を行なった。)
どちらも〝低温調理ならではのやわらかジューシーな仕上がり〟でその美味しさは間違いないが、
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どちらの方がベストかというと「②食べやすい大きさにカットした鶏もものみをBONIQ、後から塩を含ませる」の方だと言える。
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前編の結果も合わせた総括として、以下4つの方法での違いを検証してみる。
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A. カットしない1枚のままの鶏もも+塩をBONIQ
B. 食べやすい大きさにカットした鶏もも+塩をBONIQ
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C. カットしない1枚のままの鶏もものみをBONIQ、後から塩を含ませる
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D. 食べやすい大きさにカットした鶏もものみをBONIQ、後から塩を含ませる
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一番おいしいと感じたのは「D. 食べやすい大きさにカットした鶏もものみをBONIQ、後から塩を含ませる」である。
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カットしてから低温調理をすることで適度に水分が抜け、肉が塩に当たる表面積が増えることで、旨味と塩味がよりしっかり感じ
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られるようになったことがその理由と考えられる。
「A.」「C.」のように低温調理後肉をカットすると、ある程度の量肉汁が
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流れ出てしまうため、低温調理後すぐに食べる場合はカットした上で低温調理をした方が、よりジューシーな鶏肉を楽しめるだろう。
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一番おいしいと感じた「D. 食べやすい大きさにカットした鶏もものみをBONIQ、後から塩を含ませる」という方法は和えもの
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にしたり、たれに絡める料理に良さそうだ。
よだれ鶏やみぞれ和え、エビマヨの鶏肉バージョンなんかに使うと面白そうだと思う。
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「C. カットしない1枚のままの鶏もものみをBONIQ、後から塩を含ませる」方法は鶏ステーキ向きと言える。
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ただし、上記のように低温調理後すぐにカットすると肉汁があふれ出してくるため、あら熱を取ってから表面に焼き色をつけて加熱、
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もしくは一度急冷し肉汁を閉じ込めた後に再加熱、などが良いだろう。
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「B. 食べやすい大きさにカットした鶏もも+塩をBONIQ」の方法は鶏肉に味を染み込ませて、さらに鶏肉から出た肉汁も
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スープやソースとして使用したい場合などに向いている。トマト煮やパスタソース、鶏出汁スープなどにすると良さそうだ。
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「A. カットしない1枚のままの鶏もも+塩をBONIQ」する方法は、例えばカオマンガイなど調理後の肉汁をご飯に
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炊き込むような料理に活用するとマッチするだろう。
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《作った感想》
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前編に合わせて、4つの方法で鶏ももの低温調理におけるカットタイミングの比較実験を行いました。
どれももちろんおいしく、
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また、細かな方法の違いではありますが、いざ比べてみると〝明らか〟な結果が見つけられました。
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《鶏もも肉の低温調理 比較実験シリーズ》
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「鶏もも肉の火入れ 温度時間比較実験(ID:6077401)」
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「鶏ももステーキ 皮の焼き方比較実験(ID:6088796)」
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「鶏もも低温調理 カットタイミング比較実験(ID:6883825)」
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「鶏もも低温調理カットタイミング比較実験②(ID:6995101)」
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※参照:「低温調理 加熱時間基準表(https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf)」
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