秋の宝石☆栗の渋皮煮の画像

Description

栗の渋皮煮の季節です。日本料理の板前時代に、板長から受け継いだレシピをご紹介します。手間はかかりますが、味は格別。新鮮な生栗が手に入るこの時期だけのお料理です。今年こそは!と思っている人はぜひチャレンジしてみてください☆

材料

1キロ~1.5キロ
大さじ3杯
三温糖
500g
上白糖
500g
1リットル

作り方

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    栗はなるべく2L以上のものを選びましょう。丹波栗が手に入れば理想的かもしれません。栗は鮮度が命。購入後、よく洗い、鬼皮ごとひたひたの水につけて、蓋をし、冷蔵庫か涼しい場所で1晩(8時間以上)ひたしておきます。

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    栗の鬼皮をむきます。使い慣れた包丁でむきましょう。栗を持つ手の方にはゴム手袋をはめておくと、すべった時に手を怪我せずにすみます。鬼皮は、栗のおしり、底の硬い部分をうすく削って剥く突破口を作ると、あとは裂くようにスムーズに剥けます。

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    鍋に栗を入れ、栗の頭が完全に隠れるくらいお水を注ぎ、火にかける前に重曹を大さじ1.5杯入れます。沸騰してきたら12~15分間、中火弱火で栗を煮ます。この間、浮いてくるアクをこまめにすくいます。

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    栗が煮えたら、鍋に水道水を直接入れて、前の煮汁を完全に流しだし、栗をいったん冷やします。(
    40度以下が目安)栗が冷えたら、お水で洗いながら、柔らかめの歯ブラシと爪楊枝を使って栗を1個1個丁寧に磨いていきます。

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    奥が磨く前。手前が磨き終わったあとの栗。一目瞭然ですね。 太い筋は楊枝で取り除き、細かい溝の汚れを歯ブラシで磨き上げていきます。 この作業は優しく丁寧に。栗の鬼皮を剥くときも同じく、割れる原因になるので渋皮はなるべく傷つけないようにします。

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    乾燥させないように、常に水につけておきます。磨く栗も終わった栗もボウルに水を張ってつけて作業します。 磨き終わった栗を鍋に戻し、栗の頭が隠れるひたひたのお水と重曹大さじ1.5杯をいれ、2回目のあく抜きをします。沸騰後12~15分煮ます。

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    2回目のあく抜きも、こまめにアクを取り除きましょう。先ほどと同じく、流水で前の煮汁を捨て流し、栗を冷やします。ザルにあけると栗が割れてしまうからです。流水は直接栗に強く当たらないように注意します。

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    ここで汚れの最終チェック。1個1個、表情をみてあげましょう。

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    OKのようなら、鍋に戻し、再びひたひたのお水を入れて、3回目のあく抜きです。ここではもう重曹を入れる必要はありません。沸騰後、5分煮て、火を極弱火にして、10分間蒸らし煮をします。けして煮立ててはいけません。

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    蒸らし煮をしている間に水1リットルに三温糖・上白糖それぞれを入れて溶かし、シロップ液を作っておきます。茹で上がった栗を流水で煮汁を捨て流し、きれいな鍋に丁寧に移してシロップを静かに注ぎます。栗が浮いてくるので、クッキングペーパーで落し蓋を。

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    中火にかけて沸騰したら極弱火にして、5分~10分間程度蒸らしにします。この作業は、溶けきってない目に見えない砂糖の粒子を溶かす大切な作業です。シロップにつけたら沸騰して煮込むのは禁物です。栗が硬くなってしまうので注意。ここまでが1日目。

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    2日目。一晩おいておいた栗を、落し蓋を取って温めます。沸騰したらすぐ火を止めて、今度は蓋をせず、一晩おきます。水分を蒸発させて、糖度を上げるためです。

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    3日目です。さぁ、いよいよ瓶詰めして完成です。洗剤でよく洗った保存瓶を蓋、瓶、ともに2分以上煮沸消毒します。栗を瓶に移すときに使うスプーンやお玉なども消毒しておきます。この作業と平行して、栗を温めます。沸騰したらすぐに火を止めます。

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    大変熱いの作業なので、厚手のゴム手袋して取り掛かりましょう。消毒した瓶は、清潔なキッチンペーパーで水滴をふき取り、熱い瓶に熱い栗とシロップを入れます。温度が下がると雑菌が死滅しませんので、時々火にかけて栗の熱さを保ちながら作業します。

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    シロップは瓶にぎりぎりまでたっぷり注ぎ、(空気がなるべく入らないようにするため)蓋をしっかり閉めて、3分ほど写真のように逆さまにしておきます。これをするのとしないのとでは、保存期間に大きく開きが出ます。

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    完成です!冷暗所の常温で3ヶ月、冷蔵庫で保存すると半年は持ちます。開封後は冷蔵庫で1週間以内に食べきるようにしましょう。

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    ほっくりとやわらかく、優しい甘さの一粒栗。まさに秋の宝石です。お茶うけに、来客のおもてなし、お菓子作りに大活躍です。市販の渋皮煮にはない、上品な甘さと栗の自然な風味が味わえます。

コツ・ポイント

渋皮を剥くとき、磨くときは、下の栗の実が見えないよう、優しく傷つけないように注意してください☆ あく抜きは、これでもか!というくらい丁寧に。これを怠るとわずかにえぐみが出てしまいます。
シロップは、砂糖と水1:1が基本です。栗の量により、増減してください。

このレシピの生い立ち

日本料理の板前時代、恩師である板長に、煮方に昇格したお祝いに頂いたレシピです。なんでも、祖母から引き継いだ、昔ながらの素朴なレシピだそうです。これを贈られたとき、板長が「煮方は自分の心とにらめっこやで。手間ひまかかるものばっかりやけど、面倒だなと思う自分の心が鏡のように味に反映する。栗を煮ながら、自分の心と向き合いなさい」とおっしゃられました。毎年、栗を煮ながら、自分の芯に何があるのか振り返ります
レシピID : 292128 公開日 : 06/10/19 更新日 : 14/09/21

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きらきらママ
今年も美味しく出来ました♪

毎年ありがとうございます☆ほっくりしっとり美味しそう!

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pesi
今年もお世話になりました!! ありがとうございます!!

今年もレシピを使っていただき光栄です!ありがとうございます☆

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acco☆chang
今までの失敗が嘘のように美味しくできました!感謝♥

綺麗に磨かれた美しい栗に感動です!

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pesi
ねっとり柔らかな渋皮煮になりました☆こんなに美味しいんだね!!

綺麗に磨かれた栗に感動です♪つくれぽありがとうございます☆